どちゃくそな雨に (状況描写力◎)

やまもン

どちゃくそな雨に

 その日はどちゃくそに雨が降っていて、どちゃくそに体調が悪く、だから僕はどちゃくそになった。

 目が覚めると世界はどちゃくそになっていて、どちゃくそが闊歩するどちゃくそな森をどちゃくそに突破した僕は、どちゃくそに歩いて町を見つけた。

 この世界で初めて会った人はどちゃくそな門番で、彼らにどちゃくそにされながらも僕はどちゃくそに町へ侵入し、どちゃくそな冒険者ギルドでどちゃくそと登録した。

 「よお、どちゃくそ!今日は一杯やろうぜ!」

 冒険者としてどちゃくそな生活を送ること数ヶ月、どちゃくそな知り合いも増えたが、僕はどちゃくそなので未だにソロでどちゃくそしていた。

 そんなある日、僕の耳へどちゃくそな知らせが届いた。町の外のどちゃくそな森から大量のどちゃくそがこっちへ向かっているらしい。

 僕を含めたどちゃくそな冒険者たちは、各々のどちゃくそを手に一目散に駆けだした。大量のどちゃくそがこのどちゃくそな町をどちゃくそする前に、少しでもどちゃくそして数を減らすためだ。

 しかし、余りにもどちゃくそが多すぎた。一人、二人とどちゃくそされていく知人たち。僕も太腿をどちゃくそされ、立ち上がることも出来ずどちゃくそを振り回すだけ。しかも、出血しすぎてどちゃくそを握る力さへもどちゃくそしそうであった。

 その時、走馬灯というどちゃくそが走った。このどちゃくそな世界でどちゃくそな生活を送り、どちゃくそなりにどちゃくそなあいつらにどちゃくそを覚えていた。だから、僕は、この町を、あいつらを、失いたくない。

 僕がそう思った瞬間、なぜか体の底からどちゃくそな力がどちゃくそに湧いてきた。どちゃくそをしっかりと握りしめ、力強く大地にどちゃくそした僕は、周囲のどちゃくそを再びどちゃくそし始めた。

 「どちゃくそ!ここは俺たちでどちゃくそしきれそうだ!お前は森へ行き、このどちゃくそな事態の原因をどちゃくそしてきてくれ!」

 早朝から始まったこのどちゃくそ騒ぎも、夕方には大分どちゃくそしてきたため、丁度どちゃくそ一人分の余裕ができた。そして、この町で唯一のソロどちゃくそ——僕が、どちゃくその森へ向かうことになった。

 僕たち冒険者は今日一日どちゃくそをどちゃくそで打ち倒すうちに、ある疑念を持つようになった。それは、このどちゃくそ達は何かから、例えばより強大などちゃくそから逃げてきたんじゃないか、というものだ。

 一応根拠はある。森から出てきたどちゃくその中に、普段かなり奥の方でどちゃくそしている種類のどちゃくそが見つかったことと、僕の太腿をどちゃくそしたどちゃくそが流れ落ちた血に目もくれずどちゃくそしたことだ。

 だから、ソロのどちゃくそとしてどちゃくその闊歩する森での単体行動に定評のある僕が、このどちゃくそ騒ぎの原因をどちゃくそすることになった。

 どちゃくその森はやけに静かだった。一体のどちゃくその気配も感じない。しかし、森の奥へ奥へとどちゃくそする内に僕のどちゃくそとしての勘がどちゃくそに警報を鳴らした。

 まもなくして、僕は今回のどちゃくその原因である強大などちゃくそを見つけた。鋭い爪、大きな翼、太い両足に爬虫類の鱗と目。それは間違いなく伝説のどちゃくそだった。

 奴は僕を見つけるや、その口をカパッと開け、巨大などちゃくそを吐き出した。慌てて横跳びしてどちゃくそを避けた僕は、懐からどちゃくそを取り出し、奴の顔へ投げた。

 飛んできたどちゃくそを食べてどちゃくそにしてしまおうと考えたのか、じっとどちゃくそを見つめていた奴は、突如としてまばゆく発光したどちゃくそに両目をどちゃくそされた。

 そのすきにどちゃくそに接近した僕は、どちゃくその体を丹念にどちゃくそして回る。奴が伝説のどちゃくそならば、必ずあれが体のどこかにどちゃくそしているはずだ。

 そして、僕は見つけた。奴の首に一つだけ逆向きになっている鱗を。しかし視界を回復したどちゃくそが暴れたため、距離を取ることを強要された。

 ならば、ともう一度どちゃくそを投げるも目を閉じた状態で尻尾に撃ち落とされてしまった。どちゃくそに走って距離を縮めようとしたが、奴は警戒しているのか口から巨大などちゃくそを連発して僕を遠ざける。

 僕は覚悟を決めた。一人のどちゃくそとしての意地と自負と誇りを胸に、敢然と足を踏み出した。一歩一歩と前にどちゃくそする度に加速していく。その身を風に変え、何度も襲い来る灼熱のどちゃくそに四肢がどちゃくそしても、走り、駆け、跳んだ。

 奴の目の前に飛び上がった僕は、その縦に細長い瞳に笑える程ボロボロな僕の姿を認めた。直後、目をつぶった僕は炭化した左手に握りしめたどちゃくそが放った光をまぶた越しに感じた。

 パチリと目を見開き、右手に構えたどちゃくそを頭上に振りかぶりながら、落ちていく風景にどちゃくそを、見つけた。もはや感覚の無い右手に代わって、背を反った反動で渾身のどちゃくそを叩き込んだ。

 「gyaaaaaaaaaaaooooooooooooooooooooo!?!?!?」

 このどちゃくそな事態のどちゃくそな原因をどちゃくそした僕は、とてもどちゃくそな気分だった。どちゃくそになった体を癒すようにどちゃくそに降りだした雨が、瞬く間に水たまりを作り、そこにどちゃくそに浮いていると、どちゃくそな雨音に混じって遠方から知人の、いや仲間のどちゃくそな声が聞こえた。

 僕はこのどちゃくそな世界で、初めて受け入れられた気がした。

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どちゃくそな雨に (状況描写力◎) やまもン @niayamamonn

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