2021ー8/14~ 週刊カクヨム No.61 (バトルシーンコンテスト結果発表!+ゲスト・連載作品)

今週のトピック!


1 バトルシーンコンテスト結果発表!

2 ゲスト・連載作品紹介!



1 バトルシーンコンテスト結果発表!


7月末から8月の中旬になる本日までで、バトルシーンコンテスト第2回を開催いたしました。


多くの方にご参加いただきまして、たくさんのバトルシーンを見せていただきました。私としても非常に参考になる良い作品ぞろいだったと思います。


今回のコンテストの評価基準は、あらかじめ出していたキーワード評目『迫力』『分かりやすさ』『戦闘展開』『心情描写』の4つに注目して拝見し、審査対象のバトルシーンをそれぞれの項目ごとに1~5評価(小数点第1位まであり)をつけ、4つの審査項目のうち高い3項目の合計(満点は15点)で入賞作品を決定しました。


4つの合計だと、作品によっては必要のない、意識していない項目があるバトルシーンが採点で不利になってしまうのでこの形にしています。(例、「このバトルシーンは心情描写はいらないな……」みたいな)


以上の採点で、得点13以上の作品を、企画主的とても良いバトルでしたで賞作品という形で、12点以上を良いバトルでしたで賞という形で、この週刊カクヨム本誌で紹介させていただくことにしました。


最初見た時は評価5を多く持つ作品が多くコンテストとして成り立たなかったので、何度も読み直して、厳しめに審査してます。それでも点数が10以下になる作品はなかったのでレベルは高かったと思います。


最終的な入賞作品は以下のように決定しましたが、企画主の独断と偏見があるでしょう。そこはあらかじめご理解いただければと思います。


企画主的とても良いバトルでしたで賞、受賞作品!


<アンロッカーズ ~前代未聞の「スキル(才能)なし」認定を受けてしまった異世界社会の少年が、ある日その身体に宿った天才ビジネスマンの魂と共に、分断された世界を渡り歩く話~> 作者様 @ikut

「ありそうでなかった、異世界転生憑依バディ譚」

作品はこちら→https://kakuyomu.jp/works/16816452218988467258


 人にはそれぞれ、様々な才能がある。スポーツ、音楽、料理、絵画――あるいは、剣技、槍技、そして魔法。

 その国では、そのような才能が【才能(タレント)】として告げられ、誰しも自身の才能(タレント)を活かして生きていくことができた。

 しかし十五歳の少年アレンは、〈洗礼の儀〉にて前代未聞の「才能(タレント)なし」の判定を受けてしまう。

 一方、日本。日本で敏腕エリートビジネスマンとして活躍する青年・神頭裕也が、不幸にも事故で死亡。

 ある日、アレンの頭の中には、裕也という青年の声が響くのであった。

「才能なんて関係ない」

 自身の努力で成功を勝ち取ってきた裕也は、腐るアレンにそう告げる。そんな中、アレンの幼馴染の少女・レナが原因不明の病に倒れてしまう。治療に必要な薬の材料のある森には最近、暴狼(バーサクウルフ)という魔物が巣食うらしいが……。

 アレンと裕也、二つの魂が出会うとき、世界の運命は変わる。

 「巨壁」(ジャイアントウォール)という光の壁で、一万年もの歳月の間、分断されたその世界。

 アレンと仲間たちは偶然にも、その壁を超える装置を発見してしまう。

 未知なる地方の冒険。希望を求める旅の中、少年少女が得るものとは。

 そして世界の秘密を知った時、少年が下す決断は――。



審査バトルシーン

第5章 第23話「バトルフェスタ⑤:二次予選開始」

第5章 第24話「バトルフェスタ⑥:挑戦権」

第5章 第25話「バトルフェスタ⑦:二次予選決着」

『迫力』4 『戦闘展開』5 『心情描写』4 で合計13

(選評)

バトルシーンで飽きさせないことが、戦闘展開で大きく重要視したことの1つです。戦っているヨウダイの思考や仲間の応援、敵方の言葉が度々挟まることで、ギリギリの戦いを繰り広げている臨場感を味わえました。決着が生死ではなく試合なので、故に勝敗が読めないところもいいですね。




良いバトルでしたで賞、受賞作品!



<ルル・マジック&ララ・マジック> 作者様 加藤 航

「双子の天才少女と巡る、ちょっと頼りないおじさまの異世界ファンタジー」

作品はこちら→https://kakuyomu.jp/works/1177354054893355014


 謎の古書により異世界に転移した信弘は、魔法使いの弟子なのに魔法が使えない少女ルルと出会う。ルルは離れ離れになってしまった妹と再会するため信弘に協力を持ちかける。

 ルルは生まれつき魔力を持たなかったが、魔法を使うための道具である『魔籠』を作る天才だった。

 一方の信弘は何故か莫大な魔力を持っていると評される。

 魔力は無いが道具を作れるルル。魔力はあるが魔法の使い方は分からない信弘。

二人は互いの欠点を埋め合わせるように意気投合。ルルの生き別れの妹、ララを追って王都を目指す!


審査バトルシーン

第二十三話 ルル・マジック VS ララ・マジック(一)

第二十四話 ルル・マジック VS ララ・マジック(二)

『迫力』4『分かりやすさ』4『戦闘展開』4で合計12

(選評)

凄まじい魔法の撃ち合いは見ていて燃えました! 魔法によって起こっている現象の描写がしっかり書かれていたので、イメージがしやすかったのも好印象でした。



<火葬屋ジッポ> 作者様 楠々 蛙

「これは死を覆された街で巻き起こる、死者を想う物語メメント・モルトス

作品はこちら→https://kakuyomu.jp/works/1177354054891918497


「たとえこの街でも、死んだ人間は生き返らない。決してだ」

 死んだ人間がキョンシーへと転化し、生きた人間を襲う街――チャイナタウン。一九九七年から世界各地の都市がチャイナタウン化する中、二〇〇〇年に日本で初めてキョンシー転化現象が起きたのは、横浜でも神戸でも長崎でもなく、池袋だった。

 そして二〇〇六年、両切り煙草”パーカッション”をこよなく愛飲する火葬屋ジッポと、キョンシーでありながら”魂”を持つ少女リュィ、池袋駅北口辺りに位置する雑居ビル――比良坂ビル五階に居を構える二人は、閑古鳥を飼いながら、少ない依頼をこなし、キョンシーの火葬に明け暮れていた。

 そんな彼らの許に、ジッポの師であり、リュィの母でもある黄燐――一年前に死んだ彼女の陰とも言える男、デュポンが現れる。


 これは、死を覆された街で巻き起こる、死者を想う物語メメント・モルトス


審査バトルシーン

1-3

『迫力』4『分かりやすさ』4『戦闘展開』4

(選評)

戦いの中でどのような体動きをしているかを細かに書いていて、バトルシーンが

具体的に頭に浮かべやすかったです。バトルシーンは非現実の話なので、イメージがしやすいのは好ポイントだと思います。




<神風VS> 作者様 梶野カメムシ

「濃密バトルを書き尽くす、怪傑たちの大乱戦。」

作品はこちら→https://kakuyomu.jp/works/16816452218942009810


元寇に端を成す、天皇直属の特命部隊神風

初代神風の末裔である魚々島 洋と畔 蓮葉の兄妹は、

令和の《神風》になるべく、《神風天覧試合》に臨む。

関西を舞台に繰り広げられる、怪傑六名の武闘祭。

《道々の輩》最強の栄誉を手にするのは、果たして──?


秘術と刃が乱れ飛ぶ、対戦ダイヤグラム・アクション。


審査バトルシーン 

【序幕】選抜、魚々島 洋 其の一 〜 其の十

『迫力』4『わかりやすさ』3『戦闘展開』5で合計12

(選評)

今回参加してくれた戦闘シーンの中では一番長いながらも、戦う2人のかけあい、攻め手守り手の打ち合いの様子、腹の探り合い等で、玄人同士の真剣勝負であることをきちんと書き出せている納得の戦闘描写だったと思います。




(総評)

 総合的に高い得点を出せている人が入賞している傾向にありますが他にも『心情描写』が5の作品だったり、何かもう1つの項目で惜しい作品だったり、個人的には好きな展開が繰り広げられるバトルも多く、見ごたえは抜群でした。


 その中で一つ特筆すべき傾向があるとするならば、今回、『迫力』だけは5をとった作品はありません。

 戦闘描写は淡々と起こったことを書けばいいものではなく、緩急をつけ、戦う人物の思いや思惑を含め戦いの中で決着への伏線を張り、ここぞという見せ場で最高に盛り上げる必要があると、私は考えています。『迫力』での5はそれがある作品にしようと、評価基準を改め読み直す前にあらかじめ決めた方針にしました。

 完成されたそのようなシーンを見た時はたとえ戦闘描写でも感動がこみあげてくるもの。ただこれは言うは易し行うは難しというやつで、見せ場になっても盛り上げが足りないと思うときは多々出てきます。『ここはもっと引き込まれる見せ場だったはず』と思ったことが私には何度もあります。

 もちろんそういう類ではない戦いもあるという主張はごもっともですが、今回は『迫力』とキーワードをあらかじめ出しているのでそこはご容赦いただければと。

 さらに言えば、今回はバトルシーンのみで審査だったので、話全体を見るとまた違った印象を受ける作品もあるかもしれませんね。学生の冬休みくらいの長いお休みがあれば話全体を見ることもできるかもしれませんが……まあ、ないか……。

 

 バトルについてはまだまだ語れますが今日はこの程度で。近々戦闘描写の創作論でも出してみようかな……?


私の近況ノートには他の参加作品も載っております。個人的には好きな戦闘シーンもいくらかあって面白かったので、バトルものに興味がある方はぜひご覧ください。

https://kakuyomu.jp/users/femania/news/16816700426389251815







2 ゲスト・連載作品紹介!




<小国の王太子、美人だが有能ゆえ男に嫌われる選帝公ご令嬢と結婚する。> 作者様 モモ

「婚約破棄された優秀な大貴族令嬢が小国の王太子に嫁ぐお話」

作品はこちら→https://kakuyomu.jp/works/1177354055579456760


第2王子アルベルトは本の虫を目指し、王立図書館の司書を狙っていたが兄が死亡し、王太子に任じられてしまった。しかも、王も病で倒れてしまった上に美人だが男に嫌われている選帝公のご令嬢が嫁いでくる事に。

そんな不本意ながらも王太子となった彼が幼馴染みの従者と嫁とともに王国を躍進させ……られれば良いなと言うお話です




<正しい不思議の遣い方> 作者様 蛇足 しろ

「幸せになるのが下手な魔王と何も信じられない少女のいつか終わるための物語」

作品はこちら→https://kakuyomu.jp/works/1177354054934432209


 終わった世界で、終われないものと、終わらないものと。命が紡ぐ。いつか終わりゆく物語。

 幸せになるのが下手な、魔王の物語。




<乙女ゲームの最強ラスボス魔王だけど、平和的解決を望みます!> 作者様 夏まつり

「お父様は、とっても優しい魔王様。」

作品はこちら→https://kakuyomu.jp/works/16816452220697807843


 私は気が付いたら、乙女ゲームのラスボス魔王、ディアドラの子供時代の姿になっていた。

 ゲーム通りなら先代魔王の父親を殺して魔王になり、残虐非道の限りを尽くして人間を恐怖に陥れることになる。

 けれどまだ先代魔王は生きているし、なんとか回避できないかな?

 っていうかこの体の父親が好みすぎるので、「お父様」って呼んでもいいですか?




<トリムルティ~まほろばの秋津島に まろうどの神々はよみがえる~第二部 日沈む国から来たる彗星は光輪を蝕む> 作者様 清見こうじ

「再び訪れる神々の争い……愛と怨恨があざなう悲劇の連鎖を断ち切れ!」

作品はこちら→https://kakuyomu.jp/works/16816452219215421119


 陰惨な流血事件から四ケ月、高天俊(たかま・しゅん)は、思いが通じ合った恋人の遠野美矢(とおの・みや)と平穏な日常を取り戻し、スクールライフを満喫していた。一方、瀕死の受傷から回復した三上加奈(みかみ・かな)は、恋人、井川英人(いがわ・えいと)の大学復学を祝い、誘われてキャンパス見学に訪れる。そこで出会ったイギリスからの留学生、晃=ケネス・香月(あきら=ケネス・かづき)に熱烈なアプローチを受け、拒絶しながらも戸惑いを感じる。

 進路選択の時期を迎え、それぞれが自分の将来について考え始める中、遠野和矢(とおの・かずや)もまた、日本を離れる決断に迫られるが……。


第一部から読むとより楽しめるそうです。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054997257970





<Against 〈human〉:『想像/創造』世界の神を墜とす恋色の蝶> 作者 戸﨑享

「神人が支配する絶望の幻想世界。長い時を経て彼女の微かな希望は光り輝く。」

作品はこちら→https://kakuyomu.jp/works/1177354054889991705


 想像したものが現実となる。その力の源である万能粒子を人々は『テイル』と呼んだ。――人々はそれを力として使い戦争を起こすに至ってしまった。

 人々は地獄と化した世界を救う救世主を求め創造した。人間と同じ見た目でありながら、頭脳、身体能力、万能粒子への適合度が高い〈現神人あらがみひと〉、通称〈人〉。強大な力で戦争の世界から人間を救ったが、上位存在の知性体として人間を支配、管理するようになった。

 日ノ本も戦乱の世。12の〈人〉の一族が島国を十二分し、思想の違いから争いあっていた。


 この物語は、1人の少女の恋と旅立ち、絶望と時代の終わりまでの戦いを書く。




<俺のオヤジはクズでした> 作者様 有城佳音

「人生丸ごと嘘だった『地獄に堕ちたオヤジ』を、俺は、捨てることにした。」

作品はこちら→https://kakuyomu.jp/works/16816452220457744071


「あんた、いったい、誰やねん……」

オヤジの葬儀で何が言いたかったのか、ようやくわかった。


 俺のオヤジの人生は、嘘まみれだった。無限の隠し子を持ち、あちこちで人格の違う人生を送り、オヤジの嘘を辿っていくと、俺が生まれる前まで遡った…。

 俺よりひとつ年上の義姉、俺と同学年の義妹! 晩年作った年の離れた義兄妹……。しかし、殆どの子供の認知から逃げ、最後は坊さんまで騙して、極楽に行こうとする。

 俺はオヤジの嘘から生まれ、俺と母はその嘘を土台として生き考え、母は何も知らずに「三人家族」と思ったまま死んでいった。しかし、それで母の人生が嘘になるわけではない。貰われっ子だった母がずっと追い求めて来た家族を、もう一度人生を辿り直し、嘘を土台にした物語ではなく、正確に近いオヤジ抜きの家族の物語を書かなければならない。

 母のために。俺のために。幼児虐待、自殺未遂、精神不安定、現代の病巣である人間と家族の重いテーマを、軽やかに描く。




<商人の我輩、毒物を飲む。> 作者様 オロボ46

「毒は中に潜み、じっと待っている。疑心暗鬼に陥れるのも毒の戦略だ。」

作品はこちら→https://kakuyomu.jp/works/16816700426354805213



とある雑居ビルの事務所に、ひとりの男がたずねてきた。

変異体と呼ばれる、元人間である化け物相手に商売を行う商人だ。

事務所の所長と商人による取引は、以外な方向に進もうとしていた。

「まだなにか、引っかかる点があるのか?」

「いや、さっきも話した通り、取引内容に不満はありません。しかし、法律に触れる変異体と関わる以上、こちらも慎重に選択をしなければならないのでね」

事務所の所長が取り出したのは、湯飲みに入った謎の液体。

彼の信頼を勝ち取るために、商人は湯飲みを手に取るが……


1話完結の短編です。


化け物バックパッカーシリーズ

https://kakuyomu.jp/works/1177354054895479999





<ただただあいせる ーEasy Love, Eazy No-> 作者様 唐紅

「「友達以上恋人円満っ!」」

作品はこちら→https://kakuyomu.jp/works/16816410413930990657


愛と友情は紙一重。




<未来エレベーター> 作者様 美羽

「エレベーターの26階の正体は……?」

作品はこちら→https://kakuyomu.jp/works/1177354054935840935


高校1年生になった結月はある日、幼馴染の恭と一緒に誰も足を踏み入れたことのないエレベーターの26階のボタンを押してしまう。

倉庫があると思っていた先は屋上でも倉庫でもなくて……?

更に26階の先には衝撃的な事実が2人を待っていた……!

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