秘密の遊び
「見せたいものがあるの」
と美裂に呼び出された叶都は、美裂の家の客間で待っていた。
「一体なんなんだ…?」
客間に置かれている大きな箱を見ながら待っていると、両手を隠した美裂がいそいそと出てきた。
「お待たせ…」
箱の後ろに行き、ごそごそと何か動かしている。
「確認…よし!んじゃ行くよー!」
突然箱の前面が「バコッ」と開き、小さな舞台が現れた。
「おお!」
「名付けて、一人劇場!始まるよー」
そういって美裂が指を動かすと、小さな舞台に小さな人形が降りてきた。
美裂の指にあわせて動く人形達の小さな劇場を、叶都は楽しんだ。
「これ、人に見せるのは叶都が初めてなんだ。」
「こんな特技があったら人気者になれそうだが…」
「…初めては、叶都にもらって欲しかったから…」
「言い方ぁ!」
美裂は指を動かしながらえへへと笑う。
小さな劇場の人形達が一斉に[礼]の動きをした。
人形彼女 追憶劇場 @Dai-ce
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