自分の中の悪意こそが、最も恐ろしいものかもしれませんね。
でも、愛する人と繋ぐべき手を、憎い相手を殺めるために使わなくて良かった。
道を踏み外しそうになった時に、身を挺してでも引き止めてくれる人が側にいて良かった。
醜く思える自分だって、紛れもなく自分の一部です。メアリの周りには、それを丸ごと受け入れて愛してくれる人ばかりだと思います。
罪悪感はこの先も消えないかもしれませんが、それでも毎日夜が明けて新しい朝が来るはず。
作者からの返信
すずめさん、こんばんは。コメントありがとうございます。
この国にとってカンザス大佐のやったことそのものは、大勢にそれほどの影響を与えません。しかしメアリやその仲間たち、ノソンとマナガンの人々にとって短期的には、内戦そのものよりも大きな傷となりました。
他者にとって大きな出来事と、自分にとって大きな出来事とは違います。何を善しとし、何を悪しきとするかもです。
メアリに幸運だったのは、そこのところで同じ価値観を持つ人が多く周りに居たことですね。
けれどもそれをまた不条理と、当人は自分を責めています。
メアリの心が晴れる日。新しく朝日が昇るのは、少し先のことになりそうです。
テーマはよく伝わりました。
これは移動を伴う物語なので、所々にもう少しだけどういった所かを含めて進むと、この国のどのような所からどのような方向へ進んで行ったのかが分かると思いました。
ラストの一行、夜明け、新しさと眩しさを持って来ますね。
ロイの登場で、メアリの夫はこうではなければと思いました。
もしもここで残虐な殺しに入ったら、誰も宗教的な意味でもメアリを救えないでしょう。
その戦争をしにロイは発ち、ロイは学んだのかと思いました。
だから、上級の士官にはならなかったのかとか。
一旦、落ち着きましたね。
作者からの返信
こゆきさん、こんにちは。
情景が分かりにくかったですか、すみません。
ロイは軍学校を出てから出世続きで、同期とは比べ物にならないエリート街道だったりします。
それとは関係なく、人間的にも成長著しいですね。エール将軍に直談判をしに行ったりするのは奥さんの影響かもしれませんが。