化粧

自分の顔に自信がありません。

醜いとは思っていませんが、美しいとは決して言えない中の下くらいの顔だと自認しています。

でも、せっかくなら誰もが振り向く美人になってみたいではないですか。

ということで、高校生までの私は化粧に憧れていました。

化粧をすれば、きっと私も美人になれると思っていたんです。

可愛い服が好きなので、それが似合うくらいの可愛らしい顔にしたかった。

大学生になり、化粧を始めた私は驚きました。

高い。

化粧品の値段高すぎ。

最低限必要な化粧品だけで、札が数枚飛んで行きました。

そして時間のかかること。

下地を塗って、ファンデーションをつけて、目の上を塗って、口紅を引いて、頬紅を叩いて、眉を引いて。

たった15分と言われればそうですけど、高校時代15分で家を出ていた私にはハードルの高いこと高いこと。

それでも一度くらいはやってみないとということで、最低限の化粧品で最低限の化粧をして、後輩と会いました。

「今日化粧してみたんだけど、どう?」

後輩はしばらく私の顔を見つめて言いました。

先輩、本当にしてます?

...

化粧をしたら、簡単に美人になれると思っていました。

美容整形をするより手軽で、簡単に自分の顔を変えられると思っていました。

甘い見通しでした。

化粧品は高いし、技術がなければ美人になどなれません。

世の中の女の人たちすごい。

マジ尊敬。

現在新型コロナの流行によってほとんど外に出なくなった私は毎日スッピンで過ごしています。

外出できるようになったとして、私は元に戻れるのかしら。

化粧をしない自由を手に入れてしまった今となってはもう戻れない気がします。

と言いながらお金が貯まったらどんな化粧品を買ってどんな化粧をしてみたいなどと考えている私は多分阿呆ですね。

だって、綺麗になりたいんだもん。

せっかくなら好きな服に似合う顔してみたいんだもん。

お財布と時間と私の戦いはまだまだ続きそうです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

一杯どうぞ 松江 三世 @matsue_sayo

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ