カンタと名付けたその猫は1
翌日、夢見心地で寝ていると、顔に何かがぶつかるのに気がつき、目が覚めた。
「ニャア〜」
目を開けると、目の前に昨日拾った猫がいた。
「ニャア」
目を覚さない私を、手で顔を軽く引っ掻きながら起こそうとしていた様だった。
時計を見ると、まだ朝の6時を少し過ぎたばかりだった。
「まだ、6時過ぎじゃないか」
猫の手を払い退けると、毛布を深くかぶり直し、寝直す事にした。
今日はせっかくの休みなのだ。もう少し寝ていたい。そう思って寝ようとしたのだが、執拗に毛布の上から起きろと催促してくるのに耐え切れず、起きる事にした。
「ニャア!ニャア!」
抱き抱えてリビングに行くと、昨日置いておいた餌と牛乳の器が両方とも空っぽだった。
この猫、腹が減ったから私を起こしにきたのか。
台所に向かうと、私の後を追てくる。
余程お腹が空いているらしい。普段からあまり食べていないのだろうか。確かに、飼い猫にしては少し痩せている様にも見える。となると、やはり野良猫なんだろうか。
餌を新しく出してやると、無我夢中で食べ出した。
その姿を見ていると、私もなんだかお腹が空いてきた。普段、朝は食べずに出る事が多いし、寝直す気にもなれなかったので、久しぶりに朝食を取る事にした。
猫と私と日常と 夜桜 @yozakura_koneko
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