第4話 数々の疑問の解決
「つきましたよ。」
見上げてみると自分が目覚めたときにいた家とは似ても似つかない豪邸があった。
「さぁ行きましょう。」
歩き出した方向は豪邸がある方向ではなく、その横にある一般的な家だった。豪邸に行ってみたい気もしたが、自分の家と近いものがあり親近感を感じた。
「おじゃまします。」
「別にそんなに縮こまる必要はないですよ。私の父はもういないし、母は出かけていて今日は家にはいないので。」
「そうなのか。」
今目の前にいるのは、俺の高校にいたマドンナの数十倍可愛い女の子だ。とても緊張する。
「ここが私の部屋です。」
いかにも女の子の部屋ですという感じが漂っていた。ベッドの近くには人形がたくさんあり、部屋の中からはかすかにいいにおいがした。
「少し待っておいてください。お茶かコーヒーどちらがいいですか?」
「お茶をおねがいします。」
俺は即答した。コーヒーは一回飲んだことはあるが苦くてよくあんなものを大人たちは飲めるなと思う。
「お茶持ってきました。
「うん。病院から退院したら、火星移住だとか、アシダー党だとか報道されてて驚いたんだ。」
「あー。そこから理解できてないのね。それならかなりたくさんのことを教えなければいけないみたいね。」
「この
この後
火星は地球より小さいため全人類が移住できるわけではなかったこと。それは直前まで隠されていたこと。移住できるのは政府関係者と計画に協力した企業の幹部だったこと。世界各国で反乱がおきたこと。
俺にとってはすべてが耳を疑うような内容だった。しかしあまりにも叶井さんが真剣な顔で話すので嘘ではないのだと確信した。
「世界各国で反乱がおきたものの、計画に参加していた企業の中に警備関係会社もあったため暴力的に解決されたの。それが今から2年前。地球が滅亡する20年前。今は誰も治める人がいなくなったから日々かわりがわり、よく知らない組織が政治を進めているわ。で、最近力を持ち始めて政治を行っているのがあなたも言っていたアシダー党。」
「どう?これで少しは理解できた?」
俺の頭の中にあった疑問は大方解決された。
「ありがとう。大方理解できた気がするよ、助かった。」
「困ったことがあったらいつでも私を頼りなさい。ここら辺に引っ越してきたということなら高校も同じだろうし。」
「ここら辺から一番近い高校ってどこだ?」
「
「そうか。なら多分一緒の高校だ。これからもよろしくな。」
「私は高校でまでよろしくする気はないけどあなたがどうしてもというなら仕方がないわね。」
そうして俺のタイムスリップした未来の世界での高校が始まった。
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