第7話 問題児 その2

またまた「問題児」に問題があった。


午前中、「ベェ〜ベェ〜」と牛たちを集める。

とりあえず、皆の無事を確認。

牧野に戻そうと思ったら、戻らない。

集まらなかった牧野の牛たちも集まって来て動かない。


どうやら「草が無くなったから、草のある牧区を開けてよー」と言っている様。

今日、牧柵修理をして明日、牧区移動しようと思っていたが、

それは僕の勝手。牛たちには関係ない。


とりあえず、外柵を確認し、牛たちの元へ帰る。

牧区を開けてやると牛たちは勢いよく草がある方の牧区へ移動。


まだ、残っている牛がいるだろうと見渡すと一番奥の丘に6頭の群れ。

あと、問題児がポツンと牧野に残っている。

「またか、、、」


とりあえず、奥の6頭を追うと牛道に入ってくれた。

「水場へ行ってね」という事が分かった様。

一緒に動ける様に問題児も追う。

100mくらい横を群が歩いているので、付いて行こうと一生懸命歩いている。一生懸命。一生懸命。

「ん?あれ?」なんか歩き方がおかしい。

どうやら、左前足をかばって歩いている様。

なんとか水場まで行ってくれた。


前足は、重い体重がかかるので、心配だ。

畜主に連絡すると明日引き取りに来るらしい。


問題児とも明日でお別れか、少し寂しい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

牧番生活 clean_wave @clean_wave

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る