第14話 ニューヨーク生活のはじまり
それから渡米し
ニューヨークでの生活は
楽しい反面、大変なことももちろん多かった。
最初の頃は
英語が全く喋れなかった私は、
毎日のご飯を買うことでさえ躊躇し
ドル札は分かってもどのコインが何セントかすら分からなかった。
とりあえず菓子パンを買って
それがまた日本のコンビニと違って美味しくなくて
チョコレート味なら不味とかはないだろうと
チョコレート入りのパンを毎日食べる生活をしたり、笑えるほど大変だった。
物価も日本よりも高く、
家賃も1000ドル以上払ってもシェアハウス。
ニューヨークは洗濯機が無い家の方が多いので
毎回コインランドリー。
仕事も忙しく帰ってくるのは日付が回る事なんてしょっちゅう。
Where are you from?
(どこの出身ですか?)
それすら聞き取れなかったので
...Yes!
と自信満々に答えるなんて日常茶飯事で
周りの人はみんな
最初はみんな喋れないから大丈夫!とか言うけど
私ほど喋れなかった人はなかなかいなかったよと
今になって言われる。
生活水準が大きく下がった生活。
人は生活水準を上げる事は簡単に慣れるのに
下げるとなったら苦労する。
初めての事ばかりで大変な事が多いのに、あんなに楽しかったのは、両親や私と出会ってくれた方々、応援してくださる方々のおかげで、感謝できる事にまた感謝できる事が嬉しくて、それが自分のパワーになっていた。
毎日が本当に、心から幸せ。
日本にいた時に気づかなかった小さな幸せが
たくさんあった。
当たり前だったことができなくなると
悪い事ばかりではなかった。
朝起きて新しい1日が始まること
誰かと会話できたこと
道端のお花が綺麗だったこと
ご飯が美味しく炊けたこと
明日を楽しみに寝れること
1日1日が幸せだらけだったこと。
不便の中には幸せがたくさんあった。
赤ちゃんから人生を再スタートしているような感覚だった。
見るもの全てが美しかった。
出会う人、景色、音、感情、匂い、空気、文化すべてが美しいと思った。
辛いか幸せかは自分が決める事で。
すべてを幸せと気づける私は恵まれていると感じた。
大変なことに落ち込まなかったことは
過去の経験があったからそれに比べると
どんなことがあっても余裕だった。
私が海外に来たかったのは、憧れもあったけど
たくさん苦労でもなんでも自ら体験したかったから。
この新しい初めての経験がとても嬉しかった。
もちろんニューヨークに来たくて来たけど
右も左も分からない自分がここに来た本当の意味、
何年後になにを学んだと感じる事ができるのか
楽しみで仕方なかった。
この声が Rika @rm0815
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。この声がの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
「私」の話/mil
★4 エッセイ・ノンフィクション 連載中 687話
「生きる」が分かったから/古 散太
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 148話
戦国徒然/麒麟屋絢丸
★100 エッセイ・ノンフィクション 連載中 257話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます