かがみよかがみ、世界でいちばん……
柳葉うら
かがみよかがみ、世界でいちばん……
珍しく叔父に呼ばれたユーディットは、重い足取りで部屋に赴いた。
屋敷の廊下は広く、天井まで届くほどの大きな窓から入り込む陽の光が、彼女の白金の髪を温かく照らす。それでも、彼女の心は冷え切ったままだ。
幼い少女に似つかわない、苦悶に満ちた表情のまま、彼女は扉をノックした。
部屋に入ると、彼女の叔父と叔母と、従妹のクロエが冷たい視線を投げかけてくる。怯んでしまった彼女は身じろぎした。
「形見が欲しいと言っていたな。この鏡をあげよう」
そう言って指された先を見て、彼女は先ほどの恐怖も忘れて顔を輝かせた。
亡き母親の形見である姿見が置いてあるのだ。
叔父の背丈ほどある大きな姿見。
彼女の母親が生きていた頃はよく、その姿見の前に居たのだ。
それは草花の意匠が凝らされた姿見で、その美しさに見飽きることも無く、彼女は母と一緒に眺めていたのだ。
「ありがとうございます、おじさま!」
「あんないわくつきの鏡でも必死にせがんで貰おうとするなんて、本当に卑しいわ」
「気味が悪い」
喜びのあまり花が咲き乱れるような笑顔を浮かべたユーディットとは裏腹に、叔母とクロエは眉を顰めている。
それでも、両親が遺した物は全て彼らが持っていってなくなってしまったのだから、1つでも形見が手元に残ってくれて彼女はとても嬉しかったのだ。
彼女の両親が亡くなってから、彼女は叔父の家族に引き取られた。
そしてすぐに、使用人のような生活が始まった。
質素な服を不器用ながらも縫い繋いで着ているユーディットとは違い、クロエは質の良い生地で流行に合わせて仕立てられた華やかなドレスに身を包んでいる。
それでも、来客がユーディットを一目見て、「天使のよう」と讃えてしまったことが気に食わないクロエは、なにかにつけてユーディットに身に覚えのない罪を擦りつけては、自分の両親が彼女を罰するように仕向けるのだった。
やがて彼らは客人が来るとユーディットを部屋に隠すようになった。
それも、「お前のようにみすぼらしい子どもは恥ずかしくて人前に出せない」と言って。
初めこそ使用人たちは戸惑いを隠せないでいたが、新しい主人に屈することができず、何人かは辞めていった。
ユーディットを守るために残った数少ない使用人たちのおかげで、彼女はわずかながらも人らしい生活ができている。
彼女はさっそく、その姿見を部屋に運び入れた。もともと物置だった小部屋にはその姿見は大き過ぎるほどで、置くと更に部屋は窮屈になった。
それでも、母親を思い出すことができて嬉しくなった彼女は、毎晩寝る前に姿見の前に座った。
そんなある日、姿見がほんのりと光を宿した。
そう、この姿見は真夜中に幽霊が映ると言われて戻ってきたのだ。知っていたことではあるが、改めて彼女は恐ろしさに震えた。顔を真っ青にしてわななく。
しかし、その恐怖はすぐに消え去った。
目の前の姿見には、昔絵本で見たような豪華な部屋を背景に、彼女と同い年くらいの、とても美しい男の子が映っており、その少年はぱっちりとした愛くるしい瞳で彼女を見つめているのだ。
彼が来ている服は、姿見越しでも高級さが伝わってくる。柔らかな質の良い生地に、簡素ながらも趣の良い刺繍が施されている。
星のようにきらめく金色の髪は彼が首を傾げると滑らかに揺れる。艶やかで手入れが行き届いているその髪を見ると、ユーディットは自分の頭を隠したい衝動に襲われた。
幼いながらも手があかぎれだらけになるほど働かされている彼女は髪を十分に手入れすることが叶わず、そのため髪は触るとごわりとするのだ。
そのため、お人形のような男の子に見られるのが恥ずかしくなってしまっていた。
一方で男の子はというと、彼女に魅入られたかのように立ち尽くしている。
自分を見つめる、宝石のようにきらきらと輝く蒼い瞳に魅入ったユーディットは声を出せないでいた。すると、少年は口火を切った。
「てんしさまですか?」
「ちがいます。わたしはにんげんのユーディット・ジェルヴェーズです。あの……あなたはゆうれいさんですか?」
「ちがうよ。ぼくは……ようせいのクラウスだよ」
「ようせいさんだったんですね。はじめまして」
「……どうしてユーディットはぼくがゆうれいだとおもったんだい?」
物悲しそうな表情で問いかけられると、彼女の小さな胸が痛んだ。幼いながらも何もかも失った少女は、他人を傷つけることを恐れている。
その痛みを知っているからだ。
そのため、自分の何気ない発言で彼をそんな表情にしてしまったことを後悔した。
「ごめんなさい。あなたがうつっているこのかがみ、わたしのおかあさまの、かたみですの。でも、おじさまがおうりになったら、かったぎょうしゃのかたが、これはゆうれいがでるかがみだといって、おこってかえしてきたのです」
「きみのおかあさまはしんでしまったの?」
「おとうさまもです」
「かなしいことをきいてごめんね」
「わたしが、かたみといいましたもの。きにしないでください」
「きみはいまどこにいるの?」
「おとうさまたちとすんでいたいえにいます。おじさまたちが、そだててくれているのです」
「……そう……なんだ……」
クラウスは小さな手を顎に添えて、大人のように考え込むような仕草を見せた。
急に口ごもってしまった彼を見て、ユーディットはこてんと首を傾げて様子を見守る。すると、それに気づいた彼はすぐに笑顔を見せた。
「ごめんね、かんがえごとをしていたんだ」
「そうなんですね。おなかがいたいのかとおもいました」
「ふふ、しんぱいしてくれてありがとう」
彼は近づいてくると、姿見の表面に触れた。
小さな掌が、青白い月明かりに照らされる様子は幻想的で、ユーディットは見惚れてしまった。
そして幼いユーディットは、「ああ、このこはようせいさんだから、こんなにもきれいなんだ」と感嘆した。
「ねえ、ユーディット。ぼくのともだちになってよ」
「もちろんです!うれしい!クラウスがわたしのはじめてのともだちです!」
彼女が顔を輝かせてそう言うと、彼は一瞬目を見開いたが、すぐにはにかんだように笑った。くすぐったい気持ちを隠すかのような笑顔。
ユーディットはもう、彼も彼を映す姿見も、怖くなくなった。
それから毎日、2人は眠る前にお話をするようになった。
クラウスから聞くお話はおとぎ話のようで、絵本さえも買ってもらえないユーディットは夢中になって耳を傾けていた。
おまけに、彼は自分が勉強していることをユーディットにも教えてくれるようになった。
家庭教師をつけてもらえず、学校には行かせてくれないため、知識に飢えたユーディットは目を輝かせて小さな先生の授業を受けた。
どんなに仕事が忙しくてくたくたでも、どんなに悪口を言われても、どんなに惨めな思いをしても、夜にクラウスに会えるという事がユーディットの心の支えとなっていった。
しかし、ユーディットは大丈夫であっても、クラウスはそうではなかった。
顔色が悪い彼女を見るたびに悲痛な表情を浮かべ、喉がカラカラになるまで彼女を励ます言葉を贈ってくれた。
逆にクラウスがすっかり弱っている時は、ユーディットが彼に言葉をかけた。
すると、いつも決まって彼は「ユーディットに触れられたらすぐに元気になれるのに」と言って悪戯っぽく笑うのであった。
また、本当にどうしようもなく疲れている時は、普段は穏やかな瞳に狂気を滲ませた微笑みで、ユーディットの頬が真っ赤になるほど彼女と一緒に居たいという気持ちを告げ始めるため、彼女は必死になって諫めて止めさせた。
恥ずかしく思う一方で、傍にいて欲しいと求められることがユーディットは幸せだった。
とある夜、クラウスは震える声で彼女に話しかけた。
「ユーディット、君にはその……恋人はいるのかい?」
「ううん」
「どうして?」
「どうしてって……あのね、私はお屋敷の外に出たことが無いの。私は人に見せられない子どもなんだって」
「そんなことないのに……ねぇ、いないなら僕と恋人になってみない?」
「……え?」
「ユーディットも一度は恋人を作ってみた方が良いと思うんだ」
「なぜそんなことを言うの?」
「ユーディットのことが好きだから。本当は、他の誰にも君を盗られたくない。このまま誰も、ユーディットのことを知らなかったらいいのにと思う」
今までは使用人たちの噂話でしか触れることのなかった恋に、ユーディットは喜びと不安を覚える。
クロエが婚約者の男性と中庭を歩き、頬を上気させはしゃいでいる姿を見て、自分には永遠に訪れない幸せを羨むこともあった。
それなのに今、この世界でいちばん、大切だと思っている人が自分を恋人にしたいと言ってくれたのだ。
しかし同時に、人前に出せない恥ずかしい子と言われている自分が彼の恋人を名乗って大丈夫なのか不安になっている。
「私で、いいの?」
「ユーディットが、いいんだ」
ユーディットの心は温かな気持ちでいっぱいになった。そうして、彼らの奇妙な恋人生活は始まった。
毎晩、姿見の前でその日の出来事を語り合う。そして、眠る前にはお互いに「愛している」と伝え合う。
ささやかな幸せを共有していた彼らはやがて、大人になっていった。
クラウスはみるみるうちに眉目秀麗な青年へと成長していった。
小さく愛らしかった掌は大きくなり、長くて形が整った指が月の光に照らされると、ユーディットはその手に魅せられた。
そんな彼を見ると、ユーディットは時おり自分の外見に引け目を感じ、まごついてしまう。
しかし、彼女自身、化粧が必要ないほどに端正な顔立ちをしているため、本来ならば全く気にしなくても良いくらいだ。
彼女がその白金の髪を解くと、昔馴染みの使用人たちは感嘆の溜息を漏らすほどの美しさである。
それでも、幼い頃から叔父家族に自尊心を傷つけられてきた少女はそれに気づくことができない。
「お疲れ様ユーディット。顔色が悪いから今日はもう寝た方が良いよ」
「ううん、クラウスと話したいの。あなたと話した方が元気になれるわ」
「嬉しいことを言ってくれるね。鏡が隔てているなんて本当に残念だ」
クラウスは彼らをを隔てる鏡面に手を貼りつけて、まるでユーディットに触れているかのようにゆっくりとなぞった。
それを見た彼女は、なんだか本当に撫でてもらっているかのようにくすぐったい気持ちになる。
思わず微笑みを漏らすユーディットを、クラウスは寂しそうな表情で見つめた。
「鏡越しに魔法が使えるなら、このままユーディットを鏡の中に閉じ込めておきたいよ」
「あら酷い。どうしてなの?」
「誰かに盗られてしまうのが怖いんだ」
「そんなこと絶対にないわ。人様にお見せできないと言われているのに」
そう言っておどけて見せても、クラウスは眉尻を下げたままだった。
そんなある日、叔父が彼女の縁談を決めてきた。
親子ほど年の差がある貴族との政略結婚を決めてきたのだと言う。戸惑う彼女は彼の不興を買ってしまい「育ててやった恩を忘れたのか!」と怒鳴られた。
最近は常に苛立っており、些細なことで叱責してくるのだ。
使用人たちにも同じように当たり散らすためか、穴埋めで大量に雇った使用人たちも、いつの間にか当時の半分ほどの人数になっている。
その日の夜、彼女は涙ながらにクラウスにその事を話した。
すると幸運な事にも、その数日後、相手の家が急に没落して縁談が無くなった。
叔父は激高して罪もないユーディットに当たり散らしたが、ユーディットはクラウスと離れずに済んだため、胸を撫でおろした。
この縁談騒動以来、クラウスはいつも鏡に両手を押し当てて、ユーディットに触れられない悔しさを滲ませていた。
彼のそんな表情を見るのは辛かったが、それと同時にそんなにも自分のことを想ってくれていることに、ユーディットは心を救われた。
「ユーディット、必ず迎えに行くから待ってて。それまでに、どんな男にも僕に見せる笑顔を向けちゃダメだよ」
「あら、妖精は人間界に来れるの?私が幽霊になってそっちに行った方が良いんじゃないかしら?」
「とんでもない!君がこっちに来る方が危ないよ!」
クラウスがあまりにも必死に言うものだから、「わかったわ」とユーディットは答えて彼を宥めた。
しかし心の内では、住む世界が違う彼と巡り合えることなんてできないと、絶望と悲しみに暮れていた。
休む間もなく、彼らの穏やかな生活にまた一石を投じるような出来事が起こった。
ユーディットはまた呼び出されて叔父たちの元へ行くと、急に頬を打たれて地面に倒れた。
訳も分からず呆然と見上げる彼女を、彼はジロリと睨む。
「ユーディット、身寄りのないお前を育ててやった恩を仇で返すつもりか?」
「ど……どういうことですか?」
「王室から御触れが出てね、あなたを連れて来いって書いてあるのよ!クロエではなくあなたを!」
叔母はものすごい剣幕で声を張り上げてくる。その隣では、クロエが父親譲りの吊り上がった目で凄んでいる。
「本当に卑しいわ!財産が欲しくて私たちを陥れるために王族に手紙を送ったんでしょう?!」
「何かの間違えです!私は今まで1枚も手紙を送ったことがありません!嘘だと思うのなら使用人たちに確認してください!」
ユーディットが訴えかけるも、彼らは耳を貸してくれなかった。
どうしよう。こんな腫れた顔ではクラウスに会えない。
打たれた頬はジンジンと痛みを帯びており、それを手で押さえながら落ち込んで部屋に戻っていると、彼女の部屋からクロエが出て来た。
「私たちに歯向かったらどうなるか、覚えておきなさい」
そう言い放たれたユーディットに一抹の不安が過る。部屋の中に入った彼女は、自分の目を疑った。
姿見が、割れているのだ。
「……あんまりだわ」
ユーディットは割れた姿見に触れた。
姿見はもう光らなかった。
大切な恋人の姿は二度と、見られなかった。
後日、ユーディットのことを外部に漏らしたと疑われた使用人たちは辞めさせられてしまった。
みんな、彼女の両親が生きて居る頃から勤めている方ばかりだった。
それを見た他の使用人たちは、私に関わらないように目を背け始めた。叔父家族に気に入られたいがために辛く当たってくる人もいた。
私はもう、どうしたら良いのだろう。
ユーディットは夜になる度に、ひび割れた姿見の前で立ち尽くした。
それからしばらくしてのことだった。
屋敷の中に幾人もの騎士が入り込み、使用人たちは理由がわからず騒然としている。
同じくユーディットも戸惑っていると、叔父がいつになく恐ろしい形相で彼女の腕を掴み、彼女の部屋に押し込んで外から鍵を締めた。
「叔父様!どうしてこんなことをするのですか!」
「黙れ!もとはと言えばお前が王族に見つかったことが悪いのだ!」
すると彼は、部屋の外で奇妙な言葉を紡いでいる。
一体、何を言っているのだろうか?
訝しく思い聞き取ろうとしたその刹那、さっと扉に火がついて燃え始めた。木製の家具が並ぶこの部屋は、あっという間に火が燃え移ってゆく。
ユーディットは声を出して扉を開けて欲しいと叔父に懇願した。
どれだけ大声を上げても、誰も助けに来てくれない。
そのうち、ユーディットは助けを呼ぶのを諦めた。
毎夜しているように、姿見の前に立つ。
「かがみよかがみ、世界でいちばん愛おしい人は、今どこにいるのですか?」
割れた姿見は何も反応しない。
「最期にもう一度、クラウスに会わせてください」
そう言って姿見に触れた時、扉の外から大きな音が聞こえた。かすかに、自分の名前を呼ぶ声が聞こえてくる。
扉が破られる音と共に、彼は現れた。
ユーディットは目を見張った。その手には、妖精は触れないとされる鉄の剣が握られているのだ。
「ユーディット!良かった!間に合った!」
「クラウス!あなた……人間だったのね」
「ずっと嘘をついていてごめんね、本当は妖精とかじゃないんだ」
「どうやってここがわかったの?」
「名前を聞いた時からわかっていたんだ。でもなかなか君には会えなくて……やっと、君の叔父たちの罪を明るみに出せて辿り着いたんだ」
「おじ様たちが……?」
「君にに残された財産の横領と、税金の滞納で捕まえたよ。とうに税金を払えないくらい傾いていたのに、ずっと贅沢をしていたんだ。もう二度と出てこれないよう、君へのこの仕打ちも余すことなく罪状に並べよう」
それから間もなく、彼が連れてきた宮廷魔導士の魔法のおかげで消火された。
焼け焦げた部屋に佇む姿見の前で、更に驚くべき事実を彼は口にした。
これまで長らく姿見を通して話をしていたこの青年は、この国の王太子なのだ。
彼は姿見と自分たちの関係についてユーディットに説明した。
ユーディットの母親は、クラウスの母親、つまり、故王妃陛下の友人だった。
王妃陛下が王室に嫁ぐ際に、ユーディットの母親は姿見を2つ作らせて、1つを王妃陛下に贈ったのだ。
魔法が込められたこの姿見を通して、今まで通り2人でお話ができるように。
悲しいことに、王妃陛下もまた、ユーディットの母親と同じ時期に流行病でこの世を去ってしまった。
王妃陛下が崩御された後、落ち込む彼の姿を見て心を痛めた国王陛下が、彼女の形見にと彼に贈ったのだ。
彼の頭を優しく撫で、「いつも彼女が見ていた鏡だから、これからはこの鏡を通してお前を見守ってくれるだろう」と言って。
それを聞いた幼い彼は、来る日も来る日も、姿見の前で母親が映るのを待っていたのだと言う。
そうしているうちに、ユーディットと出会ったのだ。
初めて彼女を見た瞬間、彼を母親に会わせるために来てくれた天使だと思っていたのだという。
それから、クラウスはユーディットの家名や彼女の日常の些細な話を頼りに彼女の居場所を探し続けていた。
というのも、彼女は叔父たちによって居場所を隠されていたのだ。病弱で療養に出しているという口実で。
全く社交界に出ていない彼女を見つけるのは容易ではなかった。
なんとか助けようと、彼女の身に降りかかる政略結婚は全て彼が防いでいたのだ。
お金に困った叔父夫妻が、援助を求めてユーディットを差し出そうとしていたらしい。
相手の家を探し出し、多少乱暴なこともしたが、悪名高い貴族家に囚われてしまわないようにして守っていた。
クラウスは、火事のせいで煤けた彼女の服をはたいて汚れを落とし、手を差し伸べる。
彼女がその手を取ると、馬車まで連れて行って乗せた。
「約束通り、君を迎えに来た」
そう言って、優しく彼女の頬に触れる。
彼らはようやく、鏡を超えてお互いを抱きしめ合った。
その後、叔父たちは財産を全て取り上げられた上に、バラバラの場所に住まわされ、一生監視されながら労働に従事するととなった。
ユーディットとクラウスは、力を合わせて国を治め、夜になると手を取り合ってその日一日あったことを語り合い、仲睦まじく幸せな生活を送った。
今もほんのりと光を宿す、彼の部屋の姿見の前で。
かがみよかがみ、世界でいちばん…… 柳葉うら @nihoncha
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます