第9話 標的

ステータスを確認すると、カナンは10、俺は5程度、全体的にステータスが上がっていた。




「凄いです!最弱眼の私でも戦えました!しかも!ステータスも上がるなんて!夢みたいです!!」




カナンがはしゃいでいる、可愛いなぁぁ......


おっと......そんな事を考えてる場合じゃなかった。



「討伐部位の角を取って早く撤退しよう。また襲われても困るしな。」



そうカナンに言い、角を取ってその場を後にする。



【ギルドハウス】



「討伐してきました。討伐部位の角5個です。」




「五体も!?最近どうしたんですか!?強い人とパーティーでも組んでるんですか!?」




「まぁ、そんな感じですかね?助けられてます。」




カナンは強いし、助けられているのも事実だ。




「なるほど......そういう事か......。」



その時なにか聞こえた気がした、気のせいか......?



グラスウルフの討伐金を貰い、その場を後にする。



「なにか、食べに行くか?」



カナンに聞いてみる。



「うん!私お腹ペコペコだよー」



― 美味しい所に連れてってあげるか......。



俺はカナンと一緒にご飯を食べ、店を出て商店街を歩いていた時だった。



「誰か助けてくれー!店で男が暴れてるんだー!」



聞こえてすぐに俺はその場へ向かう。



「ちょっと!リア君!?」



なんとそこで暴れていたのは、前に酒場で暴れていた男だったのだ。




「この野郎っ!!俺を今馬鹿にしただろ!」



「してないよ!言いがかりだ!!」




随分酔っているようだ。助けに行くか......?そう考えていた時だった。



「うるさい......」



「あぁん!今お前何か言ったか!」



どうやら声の主は小柄な男のようだ。



「うるさいと言ったのが聞こえなかったのか?雑魚の癖に騒ぐな......」




「なんだと!?てめぇ痛い目見せてやる!」



まずいぞ!あの男の眼は濃い......あの小柄な男が勝てるのか......?



その考えも吹き飛ぶようなことが起こった。




「痛てぇ!!俺の眼がぁぁぁ!!」



一瞬で男の眼が切られたのだ。




小柄な男はその場を後にする。その時に何故か男はこちらを見て、こう言った。




「カナン......お前を殺す。いつか絶対に......」



その男の眼は、純黒で、平気で人を殺すような眼だった......

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最弱眼ですが何か? 佐藤 優羽 @yuraria

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