第8話 仲間との共闘

俺達はカナンのスキルの性能の確認の為にクエストを受ける事にした。



白い目で(色眼だが)見られたが、腕試しの相手としてグラスウルフの討伐クエストを受注した。





早速、グラスウルフの出現場所である【そよ風の大草原】に行きグラスウルフを探す。




すると1匹のグラスウルフがこちらを凝視し、今にも襲いかかろうとしているではないか。



「怖いですね......私、魔物と戦ったことないので上手く戦えるか......」



そう言うカナンは少し緊張し震えているようだった。



「大丈夫。危なくなったら俺が絶対助けるから。」



そう言い、カナンを安心させる。

カナンは頷き、銃口を向けた。



グラスウルフが近づく中、カナンは導火線に火をつける。そして技の名前を呟いた。



— 火弾!業火銃…っ!!



綺麗な軌道を描き緋色に輝く弾丸はグラスウルフの頭を貫いていた。



「リア君!私出来ました!!やっと魔物を倒せました!」



そう言い少し涙ぐみながら喜んでいるのを見て、なんだか、かつての自分を見ているようで自分も嬉しくなってしまった。



そんな事を考えていた矢先、遠吠えが近くで複数聞こえた。辺りを見回すと4体のグラスウルフに囲まれていた。



「ど、どうしましょう!?私の火縄銃は連発は出来ません!!」



ここは俺の番のようだ。



「さっき言ったのを忘れたのか?俺は君を絶対助けると言っただろ?」



そう言い、火神紅蓮乱舞を発動させ、グラスウルフの元へと向かう。



「やぁぁ!!」



— なんだ、この前よりも制御がしやすい......ステータスが上がったからか?



そう思いながら、1体目のグラスウルフの頭を吹き飛ばし、2体目、3体目と倒していく。



あと一体に行こうとした時に背後を取られていることに気がついた。



— まずい、完全な不意打ちは避けきれない......っ!



どうにかして避けようとした時だった。




「リア君!避けて下さい!」




その声を聞いて、俺は体をグラスウルフから逸らす。そして銃声が鳴り響いた後、俺の後ろのグラスウルフは撃ち抜かれていた。



「危なかった......ありがとう。カナン。」



「いいえー!私も助けてもらいましたからお互い様ですよー!」




この時俺は初めて知った。パーティーの心強さ、そして仲間の有り難さに......

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