第65話 カサブランカ
1942年のアメリカ映画です。
映画ファンの方にとっては、やっと出たか! という感じであろうこのカサブランカ。
やっぱりこれを扱わないと話にならないかもしれない。
いくら映画ファンを気取っても、カサブランカも語れないようじゃ・・・という具合になりそうだ。
実は私は、高校生の時、友人とこの映画のリバイバルを見に行ったことがある。
ところがである。
どうも期待に反して、なんだか話がよく読めないのである。
ほとんど前半はイングリッド・バーグマンなど画面に登場せず、1940年のヨーロッパ情勢やカサブランカに対する予習を怠った私は、画面の中の出来事の意味が分からなかった。
いまでも、そうした情勢に疎い方には分かりにくいと思う。
そこで、ここではあえて物語は取り上げず、当時の時代背景的なことをちょっとご説明したい。
カサブランカは当時の仏領モロッコの首都の名前で、戦乱のヨーロッパを逃れ、安全と自由のあるアメリカへ渡ろうとする人々の中継地点だったそうな。
政治亡命者、スパイ、反ナチス運動の闘士、犯罪者、利権屋、ゲシュタポ、そうしたさまざまな人々が渦巻く都市、そこで“カフェ・アメリカン”という店を経営するこの町の陰のボス、リック(ハンフリー・ボガード)が、この映画の主人公である。
ある日、そこへやってきた新しい亡命希望者ラズロは、チェコスロバキアのレジスタンス運動の指導者で,その妻イルザ(イングリッド・バーグマン)は、かつてパリに暮らしていた時、リックの恋人だった女性だ。
2人もカサブランカを経由してアメリカへ亡命しようとこの町へやってきたのだった。
そしてリックの店に立ち寄ったというわけ。
もう大丈夫です。
ここまで状況設定が理解できていれば、私とは違って、あなたはカサブランカの物語の中にすっと入っていけます。
では、まだご覧になっていない方は、是非ごゆっくりこのステキな物語をお楽しみください。
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