第64話 気狂いピエロ

1967年のフランス映画です。


こういうことを書くと読者様を裏切るようで心苦しいのだが、私は学生の頃から何度もこの映画を観て、どこがそんなにいいのかよく分からない。


読者諸兄姉のなかで、この映画の良さを的確に語れる方がいらしたら是非書き込みをお願いしたい。


しかしなんといっても、ヌーベルバーグの金字塔と謳われるこの映画である。

ゴダールの最高傑作と称えられるこの作品である。

取り上げないわけにいかない。

強いていえば,自分も気狂い野郎になったつもりで書けば,少しはこの映画の魅力に近づけるかもしれない。



“ピエロ”ことフェルディナン(ジャン・ポール・ベルモンド)は、一風変わった野放図野郎で、金持ちの女と家庭を持ち、子供もいるのに、さしたる原因もなく2人とおさらばし、昔の恋人マリアンヌとよりを戻すと、2人で南フランスへ向かう。


かっぱらった車を走らせ、ガソリン代を暴力で踏み倒し、道中はやりたい放題である。


南仏に着くと、ミュージカル映画の主人公のように生活を楽しみ、本を楽しみ、小説もどきを書いて、こちらでも子供みたいにやりたい放題なのだ。


しかしマリアンヌは、退屈してもううんざりし、とうとう街へ戻ってしまった。


ところがフェルディナンのもとに突然マリアンヌから助けを求める電話があり、駆けつけるとギャングに捕まって拷問を受ける始末。

マリアンヌはギャングの仲間を殺し、金を奪って逃げたらしいのだ。


フェルディナンはやっとマリアンヌと再会するが、マリアンヌにまた裏切られ、かっとなって一発ぶち込んで殺してしまう。


自分もこれ以上生きていられないと思ったフェルディナンは、身体中にダイナマイトを巻き付け、自爆しようとする。しかし、さていざ火をつけたらその途端怖くなったがもう遅い。

彼の体は木っ端微塵に地中海へと吹き飛んだ。


「見つかったよ」

「何が」

「永遠が。それは太陽に溶け込む海」


彼の愛した芸術から、最後にランボーの詩だけがナレーションでつぶやかれる。

それで終わりだ。


この作品の本当の魅力って何だろう。

どなたか是非教えていただきたい。

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