第11話 シェルブールの雨傘

1964年のフランス映画です。


こんな可憐な映画があるだろうか。


でも、受け付けない方は受け付けないかもしれない。

何しろオペラのように全てのセリフを歌でやり取りするのだから。


だからミュージカルというのとも違う。


全く独自のスタイルである。


そして素敵な主題曲と共に、実に優れた物語が展開する。


私は「男と女」と「シェルブールの雨傘」を、当時のフランスの恋愛映画の双璧だと思っている。


今回は、余計なことは書かないで、「世界映画名作全史」から、ストーリーを抜粋したい。

しかし、これから観られる方のためにネタバレはしません。



フランスの港町シェルブールの雨傘屋のひとり娘(カトリーヌ・ドヌーブ)と、近くの自動車修理工場に勤める若者ギイとは恋仲なのだが、突如舞い込んだ招集令状が2人の仲を引き裂いてしまう。

入隊の前夜、2人は永遠の愛を誓って抱擁した。


ギイは入隊と同時に、アルジェリアの戦線へ動員されて行き、一本の手紙を最後に、一切の音信を絶ってしまった。


しかし残された娘はたった1度の抱擁で、身ごもってしまっていた。


かねてから親切にしてくれる宝石商は、それを承知で娘を嫁に迎えてくれた。


3年の時が流れた。

雪のクリスマス・イヴの日、彼女は車を走らせていて、一軒のガソリンスタンドに寄る。

ところが・・・


ちなみにこの雨傘屋、どうやら実在する店のようだ。


「男と女」同様、カンヌ映画祭でグランプリを受賞している。

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