第15話 直人は僕の親のつもり?

 放課後。終礼が済んだ教室にて。

「えっ? また、補習?」

「悪い。だからさ、今日は」

「みゆりと二人で帰ってくれっていうことでしょ?」

 僕が言うと、「悪い」と頭を下げつつ、直人は謝る。

「今度、何か奢るからさ」

「いいって。今は小説を書くとかの話で、その、そこまで嫌われるとかじゃないし、それに、僕だって、前と違って、そこまで避けたいとかはないから」

「成長したな」

「直人は僕の親のつもり?」

「冗談だ」

 直人は口にすると、片手を掲げて、申し訳なさそうな表情を残し、教室を出ていく。

 僕はみゆりとこの後会うことより、補習が最近多い直人を心配になってきていた。

 なお、スマホのメモアプリは内容が空白のままだ。

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