第13話 小説は順調そうですか?
「おはようございます。小説は順調そうですか?」
翌日の朝、みゆりは会うなり、僕に声をかけてきた。今まではぶっきらぼうに挨拶をされるだけだったのに。
通学路の住宅街を抜ける舗道を歩きつつ、僕は、「まあ、何とか」と答える。そばにいた直人は黙ったまま、僕の肩を軽く叩いてきた。
「そうですか。内容、楽しみにしています」
「みゆり。あまり、そういうこと言い過ぎるのはプレッシャーがかかるだろ?」
「いいんだよ、お兄ちゃん。これくらいのプレッシャーがあった方が」
みゆりは場でくるりと体を回し、セーラー服のスカートをはためかせた。
「それに、お兄ちゃんも早く読みたいでしょ?」
「まあ、興味がないと言ったら、ウソになるけどな」
「というわけで、お兄ちゃんも楽しみにしてますので、よろしくお願いします」
みゆりはお辞儀をすると、直人の横へ駆け寄り、昨日観た映画の話を始める。
僕は恵比寿兄妹の中に入らず、小説をどうしようかという悩みで頭が一杯だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます