文字列概論

higansugimade

文字列概論

・文字列と呼ばれ得るなら、そこに冷静さのかけらもない。

・冷静さを欠いたら、それはただの文字列となってしまう。

・文字列から身勝手に、感情を込めて読み上げてみること。

・文字列のままにしておかない、希有な才能を広く求めて。

・本当のことが入り込まないと、ただの文字列に過ぎない。

・文字列は思いのままに列を作る。整列して。雑然として。

・意味のない文字列を求めようともとりあえず意味はある。

・「意味ある文字列」=同語反復、という式は傲慢である。

・文字列から実質的な事柄は浮かんでこないし、運ばない。

・文字列とは空虚そのものだ、と言い切れるものではない。

・意味なんてない、と文字列は文字を並べて発言している。

・特別に、束縛的な文字列とはすなわち法律のことである。

・実質的な文字列とはすなわちシステム言語のことである。

・実用的な文字列とはすなわち数学や、辞書のことである。

・文字列は人々を、時に思いのままにコントロールできる。

・文字列は決して、人の自由意志の思いのままにならない。

・文字列が人に寄り添って初めて、それは文章と呼ばれる。

・文字列の中に美を見い出すなら、それは文章と呼ばれる。

・気軽な文字列は憂鬱だ。または、文字列だけに奇天烈だ。

・スマートな文字列であったら、まだまだ救いようがある。

・文字列は時折、勢いあまって、呪文を志しては挫折する。

・文字列らしい文字列には、当然、痛み分けがふさわしい。

・文字列は用途の文脈からその妥当性を判断し用いられる。

・ただの文字列じゃないって、どうして言い切れるだろう?

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