第12話 幼馴染と引っ越しの準備
両親から『二人きりで住む場所を用意した』と言われた次の日、俺と陽葵は早速お互いの部屋で引っ越しの準備をしていた。
「んー、どうしよう…」
俺は生まれてから引っ越しをしたことが無い。
だから、何を準備すればいいか分からないのだ。
とりあえず、二人暮らしでも使うであろう目覚まし時計などの日用品や、自分の衣服や下着類を大きめのバッグに詰め込んでいた。
…
「ふぅ…こんなもんか」
ある程度自分の荷物をまとめた俺は、隣の部屋にいる陽葵がしっかり準備が出来ているか気になって、見てみることにした。
まあ、正直陽葵は俺よりもしっかり者だし、今頃準備も終わって、ゆっくりしているだろう。
そう思った俺は、陽葵の部屋のドアを開ける。
「陽葵〜、入るよ〜」
「えっ!?待って!」
開けた途端、陽葵の声が聞こえた。しかし、もう遅かった。
ドアを開け、部屋の中を見た俺は驚いた。
部屋の床には散乱した日用品、ワンピースなどの衣服。
そしてベッドの上には散乱した色とりどりの下着があった。
そして、その下着類を持った陽葵がベッドの上にいた。
白色の下着もあれば、赤やピンク色の派手な下着もある。さらにはスケスケの下着や紐のような下着も…っておい!
下着を凝視してしまった俺は我に返り、陽葵に謝る。
「ごめん!まさかこんな事になってるとは思わなくて…」
「う、ううん、全然大丈夫だよ…」
「「……」」
少しの間、沈黙が流れる。
「じゃ、じゃあそろそろ…」
俺が部屋を出ていこうとした時だった。
「ゆうくん、私の下着…見た?」
陽葵から確信をつく質問をされた。
げっ…まずい。ここで見たと言ったら、陽葵はどう思うのだろうか。
まさかドン引きして俺のことを嫌いになるかも…
でも見てないといったら、それは嘘になる。
ここで嘘をついても仕方ないので、俺は本当のことを言った。
「その…見ました…」
すると陽葵から、さらに質問をされる。
「私の下着…どうだった?」
「!?どうだったって言われても…」
「その…興奮とか、した?」
「!!?」
何言ってるの陽葵さん!?なんでそんなこと気にしてるの!?
俺は本心を隠す事をせずに、思った事を言った。
「まあ、興奮は…したかな」
俺は少し照れながら、陽葵の質問に答えた。
「そっか、なんか嬉しい♡」
俺からの返答に満足した陽葵は、とても笑顔だった。
恥ずかしくなった俺は、急いで部屋を出ていった。
部屋に戻った俺はベッドの上に横たわる。
「なんであんなにエロくて可愛いんだよ…」
陽葵の魅力を再確認した瞬間だった。
◇
数時間後、俺と陽葵はこれから同居生活をするアパートの中にいた。
「意外に広くていいな」
「ほんとだね!お父さん達には感謝しなきゃね!」
「そうだな」
両親たちは俺たちの事を思ってくれたのか、二人暮らしに丁度いい1LDKの部屋を用意してくれた。
「これからここで二人で暮らすんだね!楽しみ!」
「ああ、良い生活にしような!」
俺たちはお互いに二人暮らしを楽しみにしていた。
「じゃあ、改めてよろしくお願いします!」
今から始まる同居生活が楽しみになった俺は、陽葵に挨拶をしていた。
「なんかゆうくん変なの〜、うん!こちらこそよろしくお願いします!」
ここから、俺たちの同居生活が始まった。
◇
翌日、二人で教室に入るといつものように拓真が挨拶をしてきた。
「おはよう、裕太」
「おう、おはよう」
「今日も朝からイチャイチャして〜、羨ましいね〜」
「うるせぇよ、てかお前も美音ちゃんがいるだろうが」
「美音は別に俺の彼女じゃねぇし、俺のストーカーだよ」
どうやら俺の親友は美少女後輩からストーキングされているらしい。
そんなのうらやま……いや、なんでもない。
「っていうか、いつもよりなんかイチャイチャ感増してない?陽葵ちゃんと何かあったか〜?」
何も知らないはずの拓真が、俺に鋭い質問をしてきた。
こいつはこういう所は変に勘がいいから嫌なんだ。
隠してもどうせバレると思った俺は仕方なく、昨日あったことを説明した。
「…って事で、陽葵と同居した」
「…え?じゃあ今お前ら二人暮らしってこと?」
「まあ、そういう事だな」
「お前…羨ましいぞぉ!!」
今日は朝から拓真がうるさかった。
一度フラれたはずの幼馴染から告白されて付き合ったら、そのまま同棲する事になりました。 なべつかみ @nabetsukam1
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