Re.アナザーストーリー 後輩はおねだり上手

色々と気になる事が多い美少女後輩から衝撃のカミングアウトを受けた後、俺は後輩と一緒に帰っていた。


「先輩って、一人暮らしですよね?」


「ああ、そうだけど…って、なんで知ってるんだ?」


「だって、私先輩のストーカーですもん」


「あ、そっか…」


って、当たり前のようにストーカーだと言わないで欲しい。


というか、こいついつまで俺に付いてくるんだ?


俺は気になって、後輩に聞いてみた。


「お前、家ここら辺なの?」


「え?違いますよ?ここからは結構遠いですよ?」


「え?じゃあなんでこっちに来てるんだ?」


「んー、先輩の家に住みたいから?」


「はぁ!?」


本当に勘弁して欲しい。俺の事を今までストーキングしていた奴とひとつ屋根の下で過ごすなんて考えたくもない。たとえそれが美少女後輩だとしても。


「先輩……だめ…?」


くそ、そうだった。こいつめちゃくちゃ可愛いんだった…


しかし、いくら可愛くてもダメなものはダメだ。


「………ダメだ」


「あ、今ちょっと迷ってた」


「迷ってない!それに、親が家で待ってるんだろ?ちゃんと家に帰れ」


俺は少し怒り口調で後輩に言った。


すると、後輩が困った顔で俺に言う。


「え?私、先輩と同じで一人暮らしですよ?」


「え?そうなのか?」


「だから、泊めてください♡」


「はぁ…」


もう日も落ち、段々と暗くなっている。


俺は仕方なく、''今日だけ''という条件を付けて泊まらせることにした。


数分後、家に着いた俺たちは玄関のドアを開ける。


「へぇ〜、先輩の家意外にキレイですね!」


「まあな」


というか、後輩を家に入れてから気が付いた。女子を家に入れるのは後輩が初めてだったのだ。


すると、後輩が質問してきた。


「先輩、女の子を家に入れるの初めてですか?」


「まあ、初めてだな」


「じゃあ、私が先輩の初めてを奪っちゃったんですね♡」


「ややこしいからやめろ、変な言い方すんな」


やはり後輩の扱いがよく分からない。





家に帰って来てから一時間後、俺は後輩に夜ご飯を作っていた。


「せんぱ〜い、今日の夜ご飯なにー?」


「馴れ馴れしいなぁ、オムライスだよ」


「やったぁ!先輩だいすき!」


都合の良い奴だなぁ、そう思いながら俺はケチャップライスにふわふわの卵を乗せる。我ながらいい出来だ。


「はい、出来たぞ」


「わぁ!美味しそう!」


後輩はとても嬉しそうにオムライスを見つめる。料理を褒められたのは初めてなので、俺は少し嬉しかった。


すると、後輩が俺に聞いてきた。


「あれ?先輩の分は?」


「俺は後で作るから大丈夫」


「だめですよ先輩!」


そう言いながら後輩はスプーンでオムライスをすくい、俺に近づけてきた。


「はい、あ〜ん♡」


「あ、あ〜ん…」


俺は断ることが出来ずにそれを口に入れた。


とろとろの卵がケチャップライスにマッチしていて美味しい。


「どうですか?先輩?」


「まあ、美味しいな」


「本当ですか!?私も食べます!」


そう言いながら、後輩は俺にスプーンを渡してきた。


「はい!私にあ〜んしてください!」


「えぇ…?」


仕方なく、俺は後輩にあ〜んをしてあげた。


「うん!先輩のオムライス美味しい!」


「おう、それなら良かった」


そこで俺は気付いた。


あれ?俺今めっちゃ後輩とイチャイチャしてないか?と。






数時間後、時計を見るともう少しで日付が変わろうとしていた。


「お前はベッドで寝な、俺はソファで寝るから」


「え?嫌ですよ」


「なんで?」


「だって、先輩と一緒に寝たいから」


「えー?なんでお前と寝なきゃいけないんだよ」


「私のこと襲っていいですから♡」


「襲わねぇよバカ」


「え!?襲わないんですか!?こんな可愛い見た目した無防備な後輩を!?」


「自分で言うな、てかお前は俺をなんだと思ってるんだ」


「え?勉強も出来て運動も出来る完璧ロリコン変態高校生先輩だと思ってますよ?」


「お前なぁ…勘弁してくれよ…」


なんだかんだ、俺は後輩と一緒に寝ることを許す他無かった。





翌朝、俺は後輩と一緒に学校へ行き、教室に入る。


すると、周りの男子が俺にいきなり質問をしてきた。


「なぁ、お前、美音ちゃんと付き合ってんの?」


「みおん…?って、誰?」


「お前が今日一緒に登校してた子だよ!」


ああ、そういえば俺は後輩の名前を聞いていなかった。


「ああ、まあ告白はされたな」


「「「ぐはっ!」」」


言った途端、質問責めをしてきた男子が全員吐血した。


「お前…羨ましいぞ……」


いやどこがだよ。そう思っていると裕太が俺に挨拶をしてきた。


「おはよう、拓真」


「おう、おはよう」


「お前、美音ちゃんと付き合ってんの?」


「お前もそれかよ、付き合ってねぇよ」


「でも、朝一緒に学校に来たんだろ?昨日何かあったの?」


「ああ、美音が俺の家まで付いてきたから仕方なく泊まらせた」


「えぇ!?どういう事?」


俺は昨日起きたことを説明した。


「まあ、良かったんじゃない?美音ちゃんに好かれてるっぽいしさ」


「お前なぁ…」


これから、後輩との厄介な生活が始まりそうだ。










Re.アナザーストーリーを読んでいただき、ありがとうございました。


これからこちらのストーリーは不定期更新となります。


次回からは再び本編に戻ります。これからもよろしくお願いいたします!


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