第7話 人が死んだ「 」
人が死んだ。首を吊った。
人が死んだ。手首を切った。
人が死んだ。電車のホームに飛び込んだ。
人が死んだ。練炭を使って。
人が死んだ。風呂に顔をつけて。
人が死んだ。ビルから飛び降りて。
人が死んだ。銃で頭を貫いて。
人が死んだ。車に当たりにいって。
人が死んだ。毒を呑んで。
人が死んだ。酒を飲んで。
人が死んだ。薬を服用して。
人が死んだ。気を病んで。
人が死んだ。私のせいで。全部私のせいで死んだ。
人が死んだ。あなたのせいで。あなたが殺させた。言葉に、あなたが知らないうちに、殺させていた。
不思議と罪悪感はないでしょう?だって、『自分の知らないところで知らない奴が勝手に死んだ』だけだから。会ったこともない、見たこともない。ただ自分には見えない自分の言葉が知らない間に殺していただけだから。
でも私は違う。私は自分の手で撃った。目で見て、生を感じた。私はこんな時、とんでもない罪悪感に苛まれる。何故か分かる。そういう人が死んだときは。
後悔する。耐えきれないくらいに。でも、次の日にはもう忘れてる。そんな感情は。そいつが死んだところで私には関係ない。そしてまた繰り返す。私は醜い。
人を殺しながら生きているのに、それすら知らないあなただって醜い。
あなたは死にたい 渋柿屋 @masa0216
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