第2話 高校生活
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あれから、僕は柚希が死んだショックが強すぎて気を失って倒れてしまったらしい。
その次の日の朝起きると、
「もう、大丈夫なの.....?」
「お兄ちゃん.....辛いことは何でも言ってね?」
と母や妹から心配されてしまった。
「あぁ。わかってるよ。ありがとう。」
そう答えたものの。
僕はこれからどうやって生きていけばいいのだろう。
何を希望に生きていけばいいのだろう。
そう考えてしまった。
「あぁ──。柚希──。俺はどうしたらいんだ?」
それから僕は学校が始まるまで、家から出ることはなく、引きこもり生活を送ることになった。
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そして、高校が始まる初日。
春の風がほんのり暖かく、桜がその風に揺られ散っていく日。
俺はその桜の木の下を通り、校門をくぐり学校に入る。
(今日から学校か.....。柚希がいない学校に行く意味なんてないな.....)
「おーい。春輝ー!」
(はぁ.....早く帰って家にこもりたい......。)
そう考えながら学校の昇降口に入ると、後ろの方から声がした。
「おい!無視すんなよ!」
声のする方を見てみると、そこには小学校からの友達で、柚希を除き、この学校を一緒に受けた唯一の友達である磯谷海翔がいた。
「あぁ、ごめん。考え事してた。」
「おいおい、あんまり下ばっか見てると人生つまらないぜ?もっと前見ようぜー。ほら、あの子とか可愛くね?」
なんだか彼は調子がよさそうだ。
俺とは違って。
「ごめん。今はあんまりそういう事考えたくないや。」
暗い表情で言うと
「そっか。そりゃそうだよな。ごめんな。春輝の気持ちを考えてなかった。」
本当に申し訳なさそうな顔で言い、
「でも、俺に手伝えることあったらいえよ?俺とお前の仲なんだから。な?」
そう励ましてくれた。
「うん。ありがとう。」
その会話が終わった後、二人は何も話すことなく、彼らの教室へと向かった。
心を閉ざす。 @amimi @kimita
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