TSしたぜ

「そんな馬鹿げた話を信じる訳ないでしょ!!貴女は何処の誰よ!!」


 だから!オレは同じ説明しか出来んぞ!


「ふぅ…、落ち着けセイラ!!何度も言うがオレがデイビッドだ!」

「だからデイビッドはこの国の勇者で、筋肉ムキムキで体毛が濃くてアレが大きくて、…夜は無茶苦茶激しい男の事よ!!アンタは何処からどう見ても綺麗な女じゃない!!デイビッドはどこよ!?あんの浮気者が!!」


 疑う気持ちは分かる!だが確かにオレなんだよ!


 アレを触りたいが股には何も無い。この目に見える手は紛れもなく女の手。下を見ようとするとセイラより大きい胸が見える。


 パチン!


「痛いんだが?」

「アンタまた失礼な事を考えたでしょ!?」


 相変わらずこの恋人には考えが筒抜けだな。だが今朝この身体になってから失礼な事をした記憶は無いが?


 だが…。


「またとは?」

「いっつもやらしい事ばかり考え…、このやり取りや流れ…嘘よ…、アンタ…本当に…デイビッド?」

「ほう、ようやく理解したか」


 セイラの顔が見る見る青ざめてやがる。状況を飲み込んだようだな。


「待って!?何で!?どうして!?」

「だから知らんと言ったはずだが?」


 オレは明け方までコイツと盛っていたから、寝る前は間違い無く男だった。だから女になったのは寝ている間だよな?


「セイラ、お前こそオレが女に変わる瞬間を見てねぇのか??」

「見てる訳無いでしょ!アンタの激しさに失神して全く覚えて無いわよ!!」


 まぁ、そうだよな。いつもコイツは途中て気絶してたからな。まったく…、数時間休まずに突いただけでイキ狂って気絶しやがって。…まぁ、気絶しててもコイツの下半身なら問題な…。


 パチン!!


「痛い」

「そんな美人顔でいやらしい顔しないでよ!」

「だが、お前の良さを想像してたんだ。顔に出すなは無理じゃね?」

「ばばば、馬っ鹿じゃないの!?」


 喚くセイラは放っておこう。まずは状況の整理からだな。


「とりあえずここ数日の行動を見直すぞ」

「…そうね、賛成」


 二人で一緒に思い返す。


「まずはさっき、起きたら女になっていた」

「そうね、もう状況が狂ってるわ」

「夜中、盛っている最中で、オレのテクでお前が失神、気絶していた」

「そ…、そうね」

「夜、お前がイッてる最中も突き続けて、痙攣して泡を吹いてた」

「そそ、そうね…」

「夕方、オレ達は飯も食わずにこの部屋で…」

「これ以上盛ってる時の話は無駄よ!やめて!」


 そうか?必要だと思うが?


 …いや、必要ないな。


「こほん…。私達は昨日の昼間、久しぶりに冒険から街に戻ったのよ。冒険の目的は覚えてる?」

「あぁ、聖剣を手に入れるだろ?」

「そして私達はそこにある…聖剣を手に入れた」


 オレは冒険で獲得した剣を見る。かつて魔神を倒した十二英雄の一人、最強の聖女と呼ばれたアグリアスが使ったとされるレイピア?を見る。


 形状は男のアレだが。


「あとは聖女が魔神との戦いで身につけた衣も手に入れたよな」

「衣と言うか…、私が着てる…、その、透けてる下着よね?」


 セイラが身につけている黒をベースとした透けている下着を見る。うんエロいな。何だかまた身体の奥底が疼き出すぞ??


「とりあえず今から一発や…」


 パチン!!!


「変態がぁ!!いくらなんでも昨日から本当に酷すぎるわ!!」

「だけど、昨日、お前の下着姿を見たらムラムラが止まらないんだよ!!」


 コンコン


「ん?誰だ?」

「国王陛下の遣いになります。至急、登城するようとの御達しになります」


 扉の向こうから聞こえる男の声。ちっ、せっかく盛ろうとおもったのに邪魔しやがって。


「後で行くわぁ、とりあえず帰ってくれ」

「申し訳ございませんが、聖剣の件で、至急お伝えする事があるとの事です。申し訳ございませんが馬車をご用意しておりますので、至急準備して頂けますか?」

「わ、分かりました!至急準備するので少しだけお待ちください!」


 コイツ、勝手に返事しやがった!とりあえず首筋に顔を埋めて思いっきり吸ってやる!


「痛っ、この馬鹿!!国王陛下の呼び出しなんだから、盛って無いで早く準備してよ!」


 とりあえずオレの身体が女になった以上、服も鎧も着る事が出来ん。どうする?コイツの服を借りるしか無いか?


「なぁ、服貸してくれって」

「はぁ!?何でアンタに…、そうね、アンタ女になったんだったわ。ふふっ、可愛くしてあげるわ」

「受け入れるのも適応するのも早すぎるだろ…」


 これを着なさいと渡された服。お前、こんな服着た事ないだろ?何でこんなヒラヒラ服持ってんだ?それにこの服、胸がキツく腰周りが緩いな。



◆◆◆



「はぁ…手遅れじゃったか…」

「開口一番の台詞がそれだと、困惑するんだが?何の用だ?」

「糞可愛い顔して、不遜な態度を取られて、こっちが困惑状態じゃよ」


 国王の爺さんが困惑していようが知るか!こっちは早くセイラと狂うまで盛りたいんだ!


「お主が手に入れた聖遺物は聖女アグリアスの遺物で間違いなさそうじゃな」

「これが聖剣になります、陛下」

「ハルファッジ伯爵令嬢のセイラ嬢が触っても反応無しか。伝承通りのようじゃ」


 あ?どう言う事だ?


「聖女アグリアスは元々男だったようじゃ」

「「は?」」

「まぁ、困惑する気持ちは分かる。余も当時の記録を見つけたのは二日前じゃ」


 伝説の聖女が男だと?意味が分からん?


「お主達はアグリアスの伝説を知っておろう」

「は?当たり前だろう爺さん。ボケたのか?誰でも知ってるお伽噺だぜ?魔神との戦いをする時、仲間を魔神のもとへ行かせて、目の前に広がる十万の魔物の軍勢をたった一人で相手した英雄だろ?」


 十万の軍勢相手に、ボロボロになりながらも誰一人逃さなかったらしい。後世では魔神と戦った残りの英雄達より強いとの見解だぜ?


「それがの、どうやら見つかった記録を見る限り、当ってはいるが意味は違うようじゃ」

「どの様な意味でしょう?」

「性剣セクスカリバーの力で自身を女に変えて、襲いかかる魔物の軍勢を手当たり次第オスに変えたそうじゃ」


 何だと!!?それじゃあオレが女になったのはこの聖剣の力なのか!?


「性別を変えてどうするんだ!?」

「後は異性を麻薬のように惹きつけ、自身に不死身の瞬間治癒の効果を付与する、性衣イークぅスを装備していれば…、魔物との一対十万のプレイが始まるのじゃよ」


 ………。


「チッ!糞が!!!」

「伝説じゃと魔神と英雄の一月程続いた決戦の間、魔物一匹たりとも、決戦場に近づけさせなかったようじゃ」

「そんな事知らん!!アグリアスはその後どうなったんだ!!?戻れたのか!?」


 必要なのはそこだ!こっちはさっさと男に戻りてぇんだよ!!


「アグリアスはその後、十二の英雄が一人、性女と呼ばれるようになったそうじゃ。つまりその後は女じゃったって事じゃな」


 聖女じゃなくて性女だと!?ふざけやがって!


「と、言うわけじゃ。伯爵令嬢が性衣を身に纏っておろう。ワシの理性も限界だから下がってくれ」

「それは構わねぇが、数日、城の一室を借りていいか?」

「デイビッド、借りてどうするの?」

「この際、一生女で構わん!それよりも…」


 記録は語る、その後一週間、城の中では女同士の絶叫が止まらなかったそうだ。これが百合の城と呼ばれる様になった所以だ。


「あぁ、良いね。この昔話」

「アレク様、お母様が!」

「お、今日も始まりそう?ワクワク」






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百合?短編 aibsmn @ats-siva

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