『迷い、悩み、進む。青少年の物語』企画への参加ありがとうございます。
すごく重苦しいのに、不思議と惹きつけられ読まずにはいられない作品でした。少年少女にとっては死は遠いもののように思えますが、実はすぐ傍にあるのかもしれませんね。頑なに死を待っていた少年が、生者である猫との邂逅によって生を取り戻すラストが印象的でした。
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。死は年齢と関係なく、突如として迫ってくるものかもしれませんね。どういう結末になるのか、作者もわからないまま書き進めていたので、書いている自分にとっても印象深いものになりました。
ご無沙汰しております(^^)/
僕がこの『少年の窓』という貴作を拝読して感じたのは、まさに「生と死の境界を行き来する子供」というものです。「子供」というのは語弊があるかも知れませんが、母親の死が前提にあることからして、「親」と「子供」というふうに分けて考えました。
両親の死を漠然と捉えつつ、猫のお陰で活力を得る……のとは少し違いますが、まだ死んではいけないというふうに心変わりをする主人公。
毎度のことながら、「こ、これが現代ドラマの威力なのか!」と驚かされております。
逆に、貴作のような(一見)重いテーマを背負った作品でも感動するだけの余力が自分(岩井)にあることに、安心を得ている面もあります。
主人公もまた、そういったことで安息を得られることを願ってやみません。
作者からの返信
お久しぶりです、岩井さん。読んでくださってありがとうございます。
境界を行き来する子ども。まさしくそういう存在を描こうとしました。こころが動く余地があるなら、それは生きる力につながるのではないかと自分も思います。この少年も、猫という存在にこころを動かされたなら、まだ生きていけるのではないかと、そう願ってやみません。
コメント、ありがとうございました。
言葉を持たない存在が好きだった少年は、言葉を持たない存在になった母親と猫の、言葉によって外の世界へ脱出する。
つまり少年にとって言葉とは外側に引っ張られる力であり、自分を現状に置いておいてくれる言葉のない存在が心の拠り所だった。
少年自身は決して自分の世界にだけ留まることを望んではいなかった。だからこそ自分の世界で言葉を絶やさなかった。
前作の水面の鳥とこの窓の猫は共通して、少年を外の世界へと導く存在になっている。
読んで、悲劇ではないと感じましたが、「第一回現代人の悲劇展覧会」に出展していただけて嬉しいです。貴方が悲劇だと思っていれば十分に悲劇ですからね。
ありがとうございます。
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。
鳥と猫は外の世界へ導く存在になっている、という指摘には、なるほど、と思わされました。作者のくせに、なんだか他人事のようですけど。
そういわれれば、悲劇ではないのかもしれませんね。哀しい話だとは思っていますけど。
コメント、ありがとうございました。
自主企画から訪問させていただきました☆
https://kakuyomu.jp/user_events/16816452219933918005
こちらは、一、二話以上に、死に対して真正面から描写されていて、少年が生きる気力を失い死に誘われていく様子が圧巻でした。
左脳で文字を追いながら、右脳で死を体感させられるような、迫力のある内容でした。
冒頭の母親の言葉……
「私は今夜、死ぬことにしたけれど。あなたはどうする?」という問いかけ。
最初は、単に子供を心中に誘うための問いかけかと思って読み流していたのですが、読み進めるにつれ、母親の心情が推し量れる含蓄のあるセリフだったように思います。
母親は、自分の自死をまえもって知らせておきながらも、少年には生きて欲しかったと思っていたのではないでしょうか。
しかし、少年から返って来たのは一緒に死ぬという言葉。
そこで、致死量に満たない睡眠薬を少年に与え、自分は縊死を選んだのではないか……そんな風に感じました。
そう考えると、少年に薬を飲ませたあとの「ごめんね」にも、ものすごくいろんな思いが透けて見えるような気がします。
生きながら死の世界に閉じこもった少年を衝き動かしたのは猫でした。
きっとあの猫は、お母さんか、或いはお父さんの魂が呼び寄せたものなのかな?なんていう印象も受けましたが、そんな発想は陳腐かもしれませんね^^;
少年のトラウマは心配ですが、死の世界から生還した記憶は、もう二度と少年に自死を考えさせることはしないだろうな、と思いました。
今回のお話も面白かったです!長文、失礼しました(* > <)⁾⁾
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。自分なりに、精魂込めて書いた作品なので、死の感触を少しでも伝えられたなら、作者冥利に尽きます。
母親は他者として、その想いや心理は不透明なまま描きたかったので、そのように深く解釈していただけると、とても嬉しく、ありがたいです。死者が遺した言葉や行動は、取り残された人間にとっては、いつまでも記憶に焼きついて離れません。生きているかぎり、それについて考えつづけてしまうものだと思います。
猫は、魂との関わりを意識しながら登場させたので、そういう印象を与えられたなら、作者にとっても望ましいです。
いつか、少年のその後を書けたらな、とも思っています。いつになるかはわかりませんけど。毎回、とても丁寧な感想をいただけて、本当に感謝しています。ありがとうございました。
素敵な文章ですね。自分の好きなタイプの作品であり、一話一話丁寧に書かれていたので大変楽しませて頂きました。ありがとうございます。
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。暗い話ですが、楽しんでもらえたなら幸いです。
毎度コメント失礼してしまいすみません。
簡単に言葉にできないくらいに心が締め付けられ、動かされ、温もりを感じて、涙が溢れてきました。
素晴らしい作品だと思います。
どの作品もそうですが、最後に一筋の光が差していて、それに私自身が救われるような心地です。
読んで良かった、と強く思っています。
ありがとうございました。
作者からの返信
コメントは、いくらいただいても嬉しいです。やはり反応がないと、自分の作品がどんなものなのか、よくわからないですから。書いている自分も、救われたくて書いているのかもしれません。暗い作品ですが、読んでよかったと思っていただけたなら、嬉しいです。読んでくださってありがとうございます。
いいお話だと感銘を受けたのでコメントを残させていただきます。
母親という窓からしか自分を見られなかった少年が、最後に猫(に仮託した自分?)との問答を経て、扉を開けて外へと出る。
ある意味で言えばこれは、少年の親離れの物語なのかも、と思いました。親離れというには少し残酷ですが……。
少年は生きることも死ぬことも変わらないと考えていた最初とあまり違いはないが、それでも少しだけ前に進めたのでしょうか。
窓(母親)を通して見ていた風景に一歩を踏み出した少年の未来に夜明けが来ることを願っています。
作者からの返信
読んでくださってありがとうございます。そうですね、ひとつの親離れの物語といえると思います。強制的に引き剥がされるというか、最悪な別離のかたちともいえますが……。自分が書いているとはいえ、少年にとても酷な試練を与えてしまったようで、心苦しいものがあります。作者も少年に幸いがあることを願っています。丁寧に読んでくださり、ありがとうございました。