上手な感情移入から始まる異世界ファンタジー

異世界ファンタジーものの多くにある弱点として、実際に読者が体験したことがない事により感情移入が難しいことが挙げられると思います。
中世や近世の世界観、魔法や超能力などなど。
そのため、その世界で生きて動くキャラクターの心情に感情移入することが難しいまま物語が進んでいくことも多いと感じます。
しかし、この作品はまず現世を舞台にしており、なおかつキャラクターにとても同情したくなるシーンから始まります。
描写もリアルで、主人公に幸せになって欲しい。そう思わせられるのは大きな強みだと思いました。
まだまだ、物語は序章なのでこれからどうなっていくのか楽しみです。強みを活かして、なおかつエンタメ性もある作品になるのか、重い設定を貫いていくのか。
様々な展開が予想され、読者が想像するのは先が気になる良い作品だと思います。
これからも頑張ってください。