現代を遥かに超える精度で全ての国民の声の総和が政治に反映されているなら、独裁者は国民に他なりませんものね。この程度の国民にこの程度の政治という、民主主義の怠惰を戒める言葉が思い浮かぶ、風刺の効いた作品でした。
短篇なのに、いや、短篇だからこそなのかもしれない。ここまで心に残るのは。
人の愚かさを、皮肉でえぐっていく物語。短編の中に、凝縮されたエッセンスをくみ取ると、自分にあてはめないわけにいかなくなる。読んだ人間は自問自答する、自分はどうなのか?と。
初めに予想したオチの斜め上をいかれました。今の日本の状態を皮肉っている、なるほどなと思わせられる内容です。
小説の最初の方では影武者が代々独裁者になりかわるという予想を立てている。主人公が予想した仮説である脳が独裁者に変わるというのはスワンプマンの問題と似たような物かもしれない。後半は一転して政治の風刺…続きを読む
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