五七五の詩 01

イタリア皇帝

二三


うぐいすの はつねあゐひる はなのかぞ


鶯の    初音相居る   花の香ぞ




五、四〇


しのかみは きたどのふまず じふごやに


紫の上は  北殿踏まず   十五夜に




一、七


みずかがみ うつりしふぢの きりのおも 


水鏡    映し藤の    桐の面




一三


すまさりて ゆめうつゝかな きみがこと


須磨去りて 夢現かな    君が言




三九


したおもひ されどてにせし みやがそで


下思ひ   然れど手にせし 宮が袖





みそがごと おもひうつろふ しらずがほ


密が事   思ひ移ろふ   知らず顔




二〇


きみがきぬ あさがほのほに かれはつる


君が衣   朝顔の穂に   枯れ果つる




五一


あきかほり かげろうにほひ みをまよう


秋薫り   蜻蛉匂ひ    澪迷う




一、五


ひぎょうしゃの きみがかげみゆ こいまろぶ


飛香舎の    君が景見ゆ   臥い転ぶ

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