第2話 夢の中で
「ん…ここは…どこだ」
目が覚めるとそこは灰色の空間だった。おかしい、先程まで俺はベットで寝ていたはずなのに。意識も夢の中とは思えない程にはっきりしている。
少し当たりを見渡していると後ろの方からつい先程聞いたばかりの恐ろしい音が聞こえた。
「まさか…」
音のした方向を見ると遠くではあるが何か黒い物体が凄まじい速さで迫ってきている。
「嘘だろ!」
俺は慌てて走り出した。数分程走ると夢の中であるはずなのに俺の体は悲鳴を上げていた。
「はぁ、はぁ、はぁ…」
そしてついに黒い手の塊は俺の足を掴んだ。
「ガハッ」
走っている最中に掴まれた俺は前のめりにに倒れ顔面を打ち付けた。夢の中のはずなのに激痛が走り鼻血が出た。
それでも俺は死にたくないという一心で足をバタつかせ黒い手を振り払おうとしたが無数の手があっという間に俺の身体を地面に抑えつける。そして手で無理やり口を開けされられ、先程と同じように手が侵入してこようとしている。
「や、め…ろ」
俺は学校の帰りの時とは違い次こそは本当に死ぬという事を本能的に理解した。
「やめろおおおおおおおお」
死ぬ気で叫ぶと口に入ろうとしていた黒い手が 口に入る直前で動きを止めた。そして、突然頭の中に男の声が響いた。
「まさか、いくら弱っているとは言え、人間一人すら乗っ取れんとは…。これはこの男がもともと待っていた才能故か、或いは偶然か…。運が良かったな人間。誇るがいい、この私に勝てたことを。たが覚えておけ、私の力を使えるようになるということはお前の平穏な生活は二度と訪れんということをな」
言われた言葉の意味を理解し切れなかったが生き延びれたのは確かなようだ。俺は安心して目を閉じた。
悪魔の力を宿したら金髪美女と一緒に戦う羽目になった件 帝国議会議員 @ayasiiyakan
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