凍てつく夜に

@Kamome2036

第1話

窓を開ける


胸騒ぎがする...




そんな格好良すぎて恥ずかしいような理由じゃない

それは相棒のストーブが知っているはず


僕は窓枠に肘を付き外を見た

該当が道を白く照らしている




車の音が遠くから聞こえ


通り過ぎていく



しばらくして、窓を閉じる



すると


窓の下には誰かが立っていた

黒いタキシードにシルクハットをした男性だ


『あの、夜分に申し訳ありませんが、ドライバーを貸していただけませんか?』


彼はシルクハットを取り、そう言った


『え......? あ、いいっすよ』


そう答え、注文の品を持っていった


僕の家の前にその男性は立っていた


男性はそれを受け取ると、一礼すると道を歩いていく





興味本位についていくと、黒いガス灯が道端に立っていた



その男性はガス灯の柱に手を置き、柱のネジを一本緩め始めた



『近頃火を入れてないものですから...この地区に雪が降るのが遅くなりまして......

ご迷惑をおかけしています』




しばらくすると、柱から軽い噴出音が響いてきた



『・・・これで、この地区の整備は終わりました...ご協力ありがとうございます』



男性はそう言って、ドライバーを僕の手に握らせた




そのガス灯が光はじめ


僕は去っていくタキシードを見送っていた




そしてしばらくすると



この地区に雪が降り始めた

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