第2話 蜘蛛、パソコンに乗るな! 殺すぞ!?

朝日で起きる、何てことはなく普通に時間で起きた。


いつもより暗いなあと思ったら蜘蛛がいた。

朝から叫びたくはないが、朝から叫びたくはないが


「いやあぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!」


ある意味素晴らしい叫び。

その叫びは近所まで聞こえていたらしく、隣のおばちゃんが来た。


「草葉羅さん!? 大丈夫!!?」


「すみません! 玄関開いているので入ってきて助けてください!」


そう精一杯声を張り上げて言うと玄関が開く音がした。


下を一通り見たのか、階段を上がる音がした。

蜘蛛たちはぞわぞわと動いていて正直、キモい。


私は未だにベッドの上から動けてないし、早くと祈る。


ガチャリ。

そう音がして、ドアが開いた。


開いた先にはやはり隣のおばちゃんがいた。

おばちゃんは完全防備の服装だった。


サンバイザーに厚着の服装。

そして、蜘蛛スプレー。


一撃必殺が謳い文句のスプレー。

効能はそんなに強くはないが。


そのスプレーを持ちおばちゃんは一斉に振った。


蜘蛛の死体を掴み持っていた袋に入れるとキュッと口を閉める。


おばちゃんはこちらに振り向くと歩いてきた。


「大丈夫!? 怪我は!?」


「無いです! ありがとうございます!」


おばちゃんは安堵したかのように笑った。

暫く談笑をして、おばちゃんは帰っていった。


ふわりと開けた窓から風が吹き込んでくる。




私は高校生だった。

いじめで中退を余儀無くされたが。


いじめは特に苛烈を極めたものだった。


どこかの不良から貰ってきたであろう煙草に火を付け、私の身体に押し付ける。


どっかの男共を呼びつけイライラなどの捌け口に使われる。


定番から非常識なものまで様々。


そして、私は自殺を図った。

だが、死ねずにのうのうと生きている。


死ぬ前にアイツから言われた。


「まだ、俺に教えてないゲームあるんだろ?


だったら教えるまで死ぬな、頼むから。


それにお前が死んだら、新しいゲームできなくなるぞ!!」


と。


その引き留めるための言葉とは言え、私に言葉を掛けてくれた彼に私は感謝を込めて笑いながら---




---手を離して下に自由落下をした。


私は解放されると思っていたが目が覚めると病院だったのだ。


しかも、蜘蛛に一部変わって。


食料は要らなくなったが、代わりに仲間を殺せなくなった。


そして、蜘蛛にも異常なほど恐怖を抱くようになったのだ。

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蜘蛛を殺せない少女が蜘蛛を殺すまで 鴉杜さく @may-be

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