第15話 大権赦官

 どぷん。

 と、音を立てて重量あるものが暗く黒い水面みなもへと吸い込まれる。


「イッヒ、ヒヒヒヒヒ!沈め、沈め、沈めぇええええ!!!」


 どぷん。どぷん。どぷん。

 不思議な事に水面は陸地にも関わらず自在に形を変え、その度に陸上からは形在るモノが姿を消していく。自動車も電柱も家も生命も関係ない。それに触れた者は例外なく闇に呑まれ、沈黙する。


「おかあさん!」

「大丈夫……大丈夫だからね。お目々を閉じてお耳もお手々で塞ぐのよ?そうしたらきっと大丈夫だからね」


 おかあさんと呼ばれた女性が、自身の震えを必死に抑えて幼い男の子へ言葉をかける。

 既に少年の父親の姿はなく、黒い水面とその中心で嗤う女は目の前に迫り背後はコンクリートの壁である。母親の言葉は全く根拠のないもので、少しでも少年の心を救わんとする虚勢であった。


 呑み込まれていった他の人々の様子からして、あの水面に落ちることで生じる痛みの様なものはないのだろうという予想だけが心の支えである。


 つまりは、生存を諦めたうえでの安らかな死を求める思考へと切り替わりつつあるのだ。

 そこに絶望こそあれ希望がないわけではない。人は何時か必ず死ぬ。であれば愛しい我が子と、苦しまずにというのも悪くないのかもしれない。


 そんな絶望と希望の奇妙な両立を感じ始めた頃に、とうとう水面へと落ちる緩やかな浮遊感を彼女は知覚する。死を受け入れるところまで思考を切り替えた彼女が、最期に取った行動は―――。


「誰かっ……誰かこの子を!この子だけでも―――」


 ―――助けて。


 最後まで言葉にすることは叶わなかった。

 どうしようもなくなって、覚悟を決めたつもりになってもやはりだけは譲れなかった。きっと判断にかけた時間の多寡ではないのだろう。100年悩もうが1秒の逡巡だろうが答えは変わらない。


 自分の命を諦めることは出来る。

 達観したふりで、潔くなんて言い訳をして死ぬのも悪くはない。


 けれども母親として、当たり前のどこにでもいる普通の親として。

 この子どもの命は守らなければならない。それが無理ならどれだけみっともなくたって足掻かなければならない。そんな事も出来ない最低なままでは、死んでも死にきれない。

 だから彼女は必死に足掻く。我が子を水面下に落とすまいと両手でかかげ、みっともなくバタバタと手足を動かす。声はもう届かないがせめて誰かの目につくようにと。


 水面下の世界は不思議なもので、全く苦しくないどころか彼女はベッドで眠りにつくかのような心地良ささえ覚え始めていた。恐らく彼女独りならばとっくに身を委ねていたのだろう。だがそれは悪魔の囁きだ。こんな光の差さない世界に我が子を沈めることなど絶対にしてはならない。

 

 どれほど無様で醜くても抗うのだ。

 助けて、助けてと。声にならずとも希望を捨てず、絶望を振り払うように強く熱く。

 そうして――



「聞こえたぜアンタの声。ああ、全部俺に任せてくれ」



 その声には、応える者がいた。

 がっしりと力強く彼女の腕が掴まれる。直後に親子は水面から引き揚げられ、2人まとめて高校生程の少年に抱えられる形となる。

 まるでアスファルトと変わらないかのように平然と水面に立つその人物は、彼女たちを抱えたまま走り出すと更にこう続けた。


「危ないのはあの影を操ってる奴だけじゃない。もう2人大権赦官たいけんしゃかんとやらが来てるから、アンタはその子を連れてこっから真っ直ぐ行ったところにある市役所まで逃げてくれ。そこは安全だし、道中だって大権赦官の連中は俺が引き付けるから問題はないはずだ」


 影と呼ばれた水面から200メートル程離れた所まで数秒で到達すると、親子をおろしてそのまま少年は背を向け元の場所へ戻ろうと走り出す。未だ状況を理解していない女性は、その背に向けて思わず声をかける。


「あのっ、ありがとうございました!貴方は……」

「どういたしまして。俺なら大丈夫!アンタはその子連れてはやく逃げてくれ」


 赦官3人を相手にして大丈夫と言い張る少年にますます女性は困惑する。

 大権赦官とは、彼女の記憶通りならば人の身でありながら管理者の権能の一部を行使することが赦された異能者の呼称である。

 少年も同じであるのならまだ理解できるが、どうにも彼の口ぶりだとそうではないようだ。

 この世界に暮らす者で赦官を知らないというのも不思議であれば、そもそも何故人々の希望となるべき赦官の方々がこのような凶行を展開しているのかもわからない。


 わからない事だらけではあるが、しかしこの状況でこれ以上立ち止まるわけにもいかない。彼女は少年に救われた事を無駄にしないよう息子の手を引き夜の街を走るのであった。どうかあの少年が無事であるようにと祈りながら。



     *



 停電している事。

 真夜中である事。

 その2点を除いてもなお水面は黒く、暗く、闇であった。

 そんな影の中心に佇む女性のもとへと、更に2人の女性が歩み寄る。音も無く彼女たちの通り道が、アスファルトの路面が表れる。


「相っっっ変わらず陰気くさいわねアンタ!?反転してもっと酷くなったんじゃない?」

「確かにインズさんはその通りですけど、クレアさんもかなり口が悪くなってないですか?」

「うっさいわよクーゲ。そういうアンタだって毒吐くような子じゃなかったでしょうに」

「可愛くないのでゲは要りません。呼ぶならクーと呼んでください」


 インズと呼ばれた影の主が口を挟む余地もなく、2人の少女はそのまま口論を始める。

 口が悪いと評された彼女の名はルシア・セシリア・ドゥアルテ・クレアソン。ポルトガル出身の大権赦官にして第13位"創造"を司る女性である。


 インズの影が絶望の黒であるなら彼女の襟足が外にハネたショートボブは妖艶な黒色で、大きなブルーの瞳と褐色の肌、彫りの深い顔立ちが特徴的な美人だ。グラマラスな身体をダークブルーのノースリーブワンピースで包み、その上から頭巾付きの赤い外套を羽織っているので"口の悪い赤ずきん"というフレーズが彼女の姿から浮かぶ。


 一方でクーゲと呼ばれた彼女は本名を千夜 空華せんや くうげ。第32位"魔女"を司る18歳、日本人の高校生である。女子校の夏服の上に黒い外套を羽織り、頭には同じく黒のとんがり帽子と手には大きなエニシダ製の箒。気合いが入っているのか手抜きなのかよくわからない魔女っ子は、ウェーブがかったセミロングの茶髪にパチリと開かれた瞳が特徴的で、本来の年齢よりも幼い印象を見るモノに与える。


「こ、こんな来て直ぐに……く、くく、口喧嘩始めるなんて…………あ、あああ、あ、貴女たち何しに来たのよっ……!!」

「いちいちドモらないでください聞き取りづらい。別に油断はしていませんよ」

「そうそう!それにせっかくレゲインちゃんのおかげで言語の壁がなくなったんだから色んな体験はしてみるべきじゃない?」

「べ、べべ別にドモってない!そ、それに口喧嘩までしなくたっていいわよ……」


 常に闇を纏っているイェ・インズは第54位"影"を司る大権赦官であり誰も素顔を見たことのない謎多き人物である。名前と声から中華系の女性であることはそれとなく他の赦官も把握しているものの、極度の人見知りからその素顔を見た者は居ない。

 と、不意にクレアソンが獰猛な笑みを浮かべて街――と呼ぶには壊れ過ぎた荒地の片隅へ目を向ける。


「アハハッ、本当に来やがったわね。たった1人、それも大権赦官じゃないっていうのに」

「油断してるじゃないですか。確かに無謀だとは思いますけど無策で現れるわけもないでしょう」


 そこに立っているのは白いシャツに学生ズボンと、至って平凡な夏型学制服に身を包んだ一人の少年だ。


「そう……そうよアイツ、わ、わわ、私の影に触れても、う、浮かぶどころか全く沈まないで立ちやがったのよ……あり得ない…あり得ないわそんなのっ……この状況で、この私に!!微塵も絶望を抱かないなんてあり得ない……イ、ヒ、ヒヒヒ!ィイッヒヒヒヒ!!!アハハハハ!!!!!!」


 それぞれに少年へと関心を向けたところで、彼も一言だけ告げる為に口を開く。


「人を待たせてるんだ。3人同時でいいぜ」


 明らかな挑発。

 13位と32位に54位。全員が2桁の位階とは言え、1位だろうと100位だろうと順位に関わらず常人ならざる大権を行使する存在である。


 それに、だ。そもそもこの数字は純粋な戦闘能力を示すものではない。数字が若いほど管理者本来が有する出力へと近づくことが可能になるが、司るモノが全く異なる為に純粋な強さの指標たりえないのだ。

 当然、中には自分の方が強いにも関わらず下に格付けられることに不満を抱く者も存在する。


「―――そんなに死にたいなら殺してあげるよ」


 13位のクレアソンが正にその1人である。

 彼女の創造はありとあらゆるモノを――多少疲れるが――それこそ空想の産物であろうとこの世に創り出す。

 完全な生命だけは例外であるものの、1つの命令をこなせば朽ちるという制限付きで鳥や獣、果てはドラゴンやユニコーンのような生物までをも創り出すことが可能である。


 戦闘においては相手に合わせた武器や装備を生み出すことで近中遠全てに対応できるほか、そもそも自身が手を下さずともひたすらドラゴンを創り出して炎を吐かせていればそれで事が済んでしまうのだ。風を操る第3位も、雷を生み出す第7位も、増してや言語を司るだけの11位など彼女よりも優れているハズはないのだ。彼女は風も雷も創り出せるし、言葉など翻訳効果を持った、そういう設定の適当な食べ物でも創り出せばいい。


 故に万能であるはずの自分が13番目などというのは、到底許容出来ない事実であった。

 大権赦官ですらない少年に舐めた態度を取られるのは尚の事。


「アンタらは手ェ出さないでよ!」

「ちょっとクレアさん!」


 言うが早いか、空華の言葉も聞かずに少年目掛けて飛びかかる。それと同時、インズがクレアソンの邪魔にならないようにと前方に展開していた影を全て消し去るとアスファルトが顔を出す。

 他の2人から数メートル飛び出し、巻き込む可能性がなくなったのを確認すると靴底でブレーキをかけつつ彼女は地面を殴りつける。その瞬間ボコリと大きくアスファルトが隆起し、少年目掛けて何かが地面を泳ぎ襲い掛かっていく。


 それは蛇だ。黒と黄色の体を持ち、アポピスと名付けられた巨大な蛇。

 無論、エジプト神話に登場する邪悪の象徴たる蛇そのものではない。飽くまでクレアソンの想像により創造された大蛇である。彼女の創造にはイメージが欠かせない為、それを強大な力を持つ名前で補うことはよくあることであった。


 とは言え、だ。世界創造の原初より存在し、太陽神ラーと終わらぬ戦いを繰り広げる悪蛇アポピス。仮にもその名を冠された蛇がただの大蛇で終わるはずも無い。今はまだ地中にて創造中の体躯は、完全に地上へ現れれば高層ビルにも匹敵し、水や土のほか、闇や混沌に深く関りを持つかの悪蛇はあらゆるモノを丸呑みにするだろう。


「出なさいアポピス!その子を喰らうのよ!」


 そうして遂に少年まであと数メートルと地面の隆起が迫ったところで創造主たるクレアソンが命を下す。


 と、同時。

 身体強化を全身に施した少年もアスファルトを蹴り砕きながら前方の隆起する地面へ向けて躍り出る。逃げるでもなく立ち尽くすでもなく、前に飛び出たその行動をクレアソンが嘲笑と共に迎え撃つ。


「アハッ、土壇場でイカれちゃった?」


 少年はそれに答える間もなく地面から顔を出した大蛇に呑まれるだろう。

 飛び出してきたスピードを見るに、身体能力はなかなかのようだがそれだけでどうにかなるものではない。存在としての規模が違う。人は所詮人。どれだけ強い個体でも、蟻では象に勝てないのと同じこと。大型バスやダンプカーはおろか、住宅ですら丸呑みにする事が出来る巨体だ。力押しでどうにかなる相手では―――


「舐めんな……っよ!!」


 少年が、数秒前の彼女がやったように地面を殴りつける。

 たったそれだけ。ただの一撃。


 その瞬間に創造主たる彼女は被造物が1つ消えたことを知覚する。

 つまりそれは、頭を起点にその後に続く胴体までが今の一撃で行動不可能な程に破壊されてしまったという事である。

 完全な想定外に思考が抜け落ちる。アポピスは最後の切り札とまではいかないまでも、これだけ雑に破られていい手札ではなかったはずだ。あり得ない。こんな事はあり得ない。


「どう、やった……?今のはどんな手を使った!!?答えろッ!!!」


 ガシャガシャと騒々しい音を立てて彼女の両手に拳銃が現れる。加えて彼女が蹴りつけた地面からは水が湧き、瞬く間に大津波となって少年へ襲い掛かる。更にそこへ繋がる足元の水源へ向けて彼女が唾を吐くと、その津波はなんとも不思議な事に紫電を纏い、それを以て絶対の死として完成された。


 この波濤に呑まれて絶えるならばそれで良し。もしも正面切って突破して来るのであれば蜂の巣に。

 瞬間的に冷静さを欠いたクレアソンだが、それでも強大な異能であることに変わりはない。慌てるのはまだ早い。どれだけ力自慢でも水と雷が敵では意味がないだろう。溺死も感電死も体を鍛えてどうにかなるものではない。


 が、瞬間的に冷静さを欠いたそこが既に勝敗の分岐点。


「クソッ!超えるかそれを……!」


 津波の背に影が浮かび、次の瞬間には人の上半身が飛び出してくる。


「だけどなぁ!舐めんじゃねえぞっ!!」


 創造し、戦闘に用いる以上あらゆる武器の熟練度は一定の水準に達している。影が見えた時点で眉間と心臓に2発ずつ。飛び出してきた後は接近されないよう念入りに胴体へ―――。


「――――あ?」


 違う。

 それは決してあの少年ではない。人間大のアスファルト片だ。

 彼女は知る由もないが、日本人であれば――少々乱暴に過ぎるが――畳返しというフレーズを連想したかもしれない。アポピスの頭を粉砕した後、彼女が銃を手にしたのを見た彼は地中から手を引き抜くついでに割れたアスファルトの塊をそのまま片手で捲りあげ投擲したのだ。


 もしも冷静さを失わずに自らの視界をも妨げてしまうような攻撃をしていなければ、地中を突いた手で何かしているのが見えていたかもしれない。

 痛みを感じるわけでも筋肉によって動いているわけでもない為、当然銃撃など関係なくそれは彼女目掛けて落ちてくる。


 舌打ちをしつつ後ろへ下がった彼女が、顔を上げ次に見たのは津波を殴りつけて穴を開け進んでくる少年の姿であった。元の持ち主の関係で現状は身体強化と治癒以外の心式いのうを使えない少年が、紫電を纏う津波を潜り抜けた方法は至ってシンプルである。


 まずは単純に拳を用いて津波に穴を開け、次に筋力と共に強化された超人的な感覚を以てして感電と同時に治癒を発動。治癒までの痛みは根性で耐え、津波を抜けると同時に心式を身体強化へと戻す。制服はボロボロになるが、体に異常は見られないのでどうやら上手くいったようだ。


「なん、なんだよお前……ふざけんじゃねぇぞ!そんなデタラメがあってたまるかぁ!!」


 怒声と共にクレアソンが再度地面を蹴りつけるも、今度は何も起こらない。何を創造すれば目の前の少年を沈黙させられるのか、そのイメージが定まらず出力まで至らないのだ。

 衣服から未だ煙が上がったまま、少年は彼女が次の行動に出る前に一挙に距離を詰める。


 治癒の心式の存在を知らない彼女からすれば、どうして超人的なパワーだけのハズの少年が紫電を克服したのか理解できない。

 もう一度神話クラスの生物を――無駄だ、壊される。

 雷でダメなら熱や爆破で――ダメだ、機会は1度。無効化されるかもしれないモノに頼れない。

 であれば最後の切り札、概念制定は――無理だ、設定するだけの時間と思考が足りない。


「悪いな。普段ならアンタが勝つだろうさ―――それじゃ」

「ひっ」


 思考が纏まることはなく、そのまま眼前に迫る少年の拳から彼女はそれが持つ威力を連想したのであろう。短い悲鳴と共にその場に崩れ落ちてしまう。

 初めから彼に殴るつもりなど毛頭なかったので、演技と寸止めで気絶してくれたのはありがたい結果であった。本気で殴るのは勿論無いにしろ、殴るつもりすらないというのは姉から後々"甘い!"と叱られそうではあるが。


「さてと……"影"に"魔女"、だったな?」


 少年の眼が、先ほどから硬まったままの2人を捉える。

 初めはクレアソンの攻撃に巻き込まれては堪らないと下がっていたのだが、少年との戦いを見守るうちに段々と彼女らの表情から余裕の色は消え失せ、今となっては汗をかきながら睨みつけるのが精いっぱいである。


「チッ、ボクらのことは知ってるのか……ああその通りさ!ボクは千夜空華せんやくうげ!大権赦官が32位の"魔女"だとも!!」


 大仰に、芝居がかった名乗りを以て少年の問いに答えると続けて"魔女"は口を開く。


「さぁボクは名乗ったぞ!君こそ誰なんだ?本当に赦官ではないのか!ボクだってバカじゃない。知らないふりを、演技をしているだけで実のところは高位の――いや君が"希望"の1位なんじゃないのか!?」


 勝ち目がないのならせめてこの少年の素性だけでも明らかにしようと、そういう腹積もりなのだろう。もしかすると遠視の異能を備えた仲間が監視しているのかもしれない。

 が、それらを考慮した上で敢えて少年は名乗る。これで自分が積極的に狙われるようになるのなら、手間も省けるという考え故にだ。


「悪いが俺は第一位さまなんかじゃない。そもそも大権赦官だなんて大層なモノでもない」

「なっ、嘘をつくなッ!只人ただびとにあのような力が出せるものか!!」


 管理者の権能、その一部を行使することが赦された選ばれし100人などではない。

 彼の世界において心式しんしきと呼ばれる異能は珍しくこそあれ、その性質は集団において必ず生まれる他者との差異――個性の範疇を出ないものだ。それは力の強弱ではなく、異能としての性質が"超越者として人類という種を導くモノ"である大権赦官と、"己という一個人の目的を達成する為のモノ"である心式使いという本質からの差異である。


 普通という言葉の定義はひどく曖昧で、使う物差しや見る角度によって幾らでもそれは姿を変える。つまるところ、言ったもの勝ち名乗ったもの勝ちなのだ。

 故に彼はこう名乗る。


「俺の名前は五条優護。異世界から来た心式使いで――どこにでもいる普通の高校生だ」

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