天災襲来

ドオンッ


「きたか、希望の星!」

「なんだ?また新たな異世界人獲物か?」

「これを待っていたんだよ、磁練彌!」

「誰が来ようが全員皆殺しだ!!」

「⁉︎」

「あ?どうした新たな獲物はテメェの知り合いだったりしたか?ジハジハジハ。」

「どう言うことだ!?なぜ奴らがここにいる?」


俺は滴り落ちる汗を拭いながら来たる新人に目を奪われていた。


「磁練彌わるいことは言わないもう手を出すな!!」

「は?なに訳のわからねぇこと言ってんだ!?」

「俺にじゃない!!あいつらにだよ。」


そう言いながら俺は新たな天災ルーキーを指差した。



「やはり知り合いだったのか?

どんなやつか知らねぇが来たばかりの新人なんざ誰もおんなじなんだよ!

うん?あいつら三人組じゃねぇか?

1番チビのガキが率先してこっちに向かってるぜ!ジハジハジハ。どうやら死にてぇらしいな。」

「無能な兄貴がなんでこんなとこおんねん?」

「は?どういうことだてめぇ!」

「ちょっと黙っとり!新人しか相手にできない雑魚が。」

「なんだとコラァ!!

いや?ちょっと待って。なんで俺が新人狩りと分かった?」


「はぁ?この状況見たら一目瞭然やろう?な、無能?」

「なぜお前が、いやお前らがここにいる?東條朱子。」

「は?原因は全部お前やろ?お前がわけのわからん手紙を開けたんやろ?無能案内人が言うとたっで。」

「なっ!?お前ニッチたちに何かしたのか!?」

「ニッチ?あぁあの無能どもか。

ちょっと攻撃しただけや。そらそやろ?いきなり異世界連れてきたとか言う変人には攻撃してもええやろ?」

「ふざけるなぁあ!!」



俺は腕を実の妹に対して振りかざした。

だが、その拳は妹には届かなかった。

その直前何者かに俺の拳が止められたからだ。


東條家が総裁兼東條プロダクション現最高取締役兼俺のクソ親父の東條白夜がな!!


「ちょっと晃?今、天才の、あなたとは何もかもが違う妹の朱子に対して拳を振りかざしたの?あぁ、おぞましい!!

朱子ちゃんの綺麗な顔に傷がついたらどうするの??

あなたが怪我するなんかよりよっぽど重大なことなのよ。そうよねあなた?」

「あぁなんの才能のも無い=無能のアキラと、すべての才能が有る=有能の朱子では価値が違うからな!なぁ?真知子。」


すると、いきなり磁練彌が怒り出した。


「なんだてめぇら!!ふざけてんなら全員殺すぞ!!こいつは初めてルーキーハンターの手から逃れた最強の新人だ!それを無能だと?お前ら殺してる!!」

「やめろ磁練彌、殺されるぞ!」


何故だか分からないが俺のために怒ってくれているらしい。


「あらぁ、晃。私たちにこんな無能にかまってる時間があると思ってるの?そんな暇じゃないのよ。」

「そうだぞ兄貴無能。あとさぁこの世界に来るためには元の世界に不満がなきゃ来れないよねぇ?

なのにあんた無能の兄貴はまだしも、順風満帆なあんたを除いた私たち家族に不満があると思う?

最初はさ、まるでわからなかったんだわぁー。でもさ、やっといま理解した、なんだと思う?」

「知らねぇよ!!お前らのことなんか。」

「そう、じゃあ教えてあげる私たちの不満わね。」

「「「あんたよアキラ」」」

「な?」

「当たり前でしょ!!あんたみたいな奴がいたらそれこそ東條家の汚点でしょう!!

こっちに来てからわね、あんたの顔見てなかったから忘れてたけど今見たら思い出したわ。私たちの不満はあんたよ、晃!!」



俺は涙が止まらなかった。

こんなくそ家族に生まれたことも、自分に才能が無いことも悔やんだ。


もし俺に妹のような才能があれば…なんてことが頭をめぐり続けた。 

頭の全てがそのことで支配された。

顔がぐしゃぐしゃになっても涙が止まらなかった。


「うわぁ汚いのよ!無能の鼻水ついたら無能がうつるでしょ!!」

「そうよ。朱子の服に着いたらそれは一生着れなくなっちゃうじゃない。」

「そうだぞ!晃。」


こいつは血も涙もない本物の悪魔だ!


「黙れぇぇぇぇぇぇ!!!!!!

てめぇら好き勝手言ってんじゃあねぇぞ!!

こいつはいずれこの世界を統一する俺の、未来の仲間のリーダーなんだ!!

こいつにはな、お前らが持ってないものを持ってる!

本来晃のような環境に生まれたら絶対に身につくはずがないものだ!!

お前らのようなクソみたいな家族に生まれても晃がそれを持っていたのはこいつには優しさがあるからだ!!だから、お前らにはない強い心を持ってる。お前ら悪魔にはない強い心を持ってる!!」

「うっさいわね消えて!」


朱子が何かする動きを見せた。 



「逃げろ!!磁練彌!!」

「もう遅いわよ。」

「待て!朱子。」

「父様!?」

「いいだろう。ならどちらが無能かはっきりしようでわはないか。この世界を先に統一したものが勝ちとしよう。

もし、晃が私たちより早くこの世界を統一できれば晃のことを認めよう。」

「ただし!もし私たちが先に世界を統一すれば晃には死んでもらう!!

おまえのようなやつが生きていては東條家の恥だからねぇ。」 

「てめぇまだ言うか。」


「待て磁練彌!もし僕が勝ったら貴方達は僕を認めてくださるのですか?褒めてくださるのですか?」

「ふんそんな未来が訪れないがな。」

「せいぜい首を洗って待ってなさい。」

「あんたじゃ絶対勝てないよ。

だって、今までこの妹の私にすら何一つ勝ててないもんね?まぁいいわあんたの生首楽しみにしてるわ。じゃあね、無能の兄貴。」



東條晃

仲間とリンクする能力

磁練彌

磁石と触れたものに磁力を与える能力

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ぼっち転生 〜チート能力がぼっちでいる事を許してくれない〜 えいちゃん @asukanna

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