番外編 「みんなで作る読書ガイド」参戦記
石束は、先月末
「読書で考える新型コロナウイルスとの共存」
(https://kakuyomu.jp/user_events/1177354054897948900)
に、
「中井紀夫 著『山の上の交響楽』~「コロナの時代の読書」において読むべき一冊として~」
(https://kakuyomu.jp/works/1177354054907321814)
という紹介文を応募いたしました。結果発表を直前に新型コロナが第二波流行を迎えるなんて酷い状況の中結果発表があり↓
(https://kakuyomu.jp/special/entry/readingguide_2020)
めでたく参加賞をいただけることになりました(*^ー^)_∠※☆PAN!
……これを機会に面白さに比して絶対的に知名度が足りていない系SFに少しでも光が当たりますように。
よし! ブックウォーカーのコイン貰えたら『ウエスタン武芸帳』読むぞ。
さあ! どっかに埋もれてる『ウエスタン武芸帳』第一巻を探さねば!
三巻まで出てたのかと思う一方、三巻までで止まっているのかと複雑な心境!
◆◇◆
あくまでSF者としての多少ゆがんだものの見方を通してですが、以下、簡単に紹介作の印象などを。
このテーマで作品をおススメするならば、やはり
「変わってしまった『世界』といかに向き合うべきか?」
というアプローチが必要だと思うし、実際そういう作品選びが多かったような気がします。そんな中で
ジョージ・オーウェルの『1984』
上橋菜穂子の『鹿の王』
森博嗣の『すべてがFになる』
と特選三つをSFとファンタジーが獲った(我田引水)のはやはりうれしいです。
かつて小松左京が言ったとおり、SFこそが文学の可能性を拓くのだといいたいところです。
また個人的には、上橋菜穂子の『鹿の王』はタイトル見た瞬間
「これがあったか」
と思った一冊なので、むっちゃ納得しましたし(笑)、いい紹介文でした。
……まあこの三冊は、無理に、SFとタグをつけなくても普遍的な価値を持つ小説たちなので、これを紹介作品に選んだ方は「SFだから選んだわけじゃないよ」とおっしゃるでしょうが(笑)
もちろん『火星年代記』が参加賞二十冊に入ってたのもうれしかったです。ほんとよくぞこれを紹介してくださいました(笑) 不破有紀さんいい紹介文をありがとう。
『復活の日』も一本感想文が選ばれてました。この本と幸せな出会いをされたのがわかって少しうらやましかった(笑) ここまで心を揺さぶるなんて小松左京という作家は本当に罪作りな作家だと思います。
他にも伊藤計劃の『ハーモニー』、アニメ化もされた貴志祐介の『新世界より』等々、SFの現在を代表するというか未来におそらく古典SFと呼ばれるであろうこれらを本当にいい紹介文でおススメしてもらってるのもSF者としてはやっぱりうれしい。
さらにはなんといっても萩尾望都著『11人いる!』
どっきどっきしながら読んだもんなコレ。作者が手塚先生なら二人残して他は死んでるし、富野監督なら全滅させる題材と思う。
ウィルスを重要テーマとし、それでもなお
「極限状態にあっても、痛みを乗り越えてコミュニケーションをつづけ、不信を越えて理解しあい信頼を寄せあう」と語る。
特に今、必要な漫画じゃないかなあ。
その反面
「やっぱり『鬼平犯科帳』あかんかったかー…… でも高田郁の『みをつくし料理帖』とか入ってるし。どっちもごはんがススム話なのに! あれか? 軍鶏鍋やうどんやどじょう鍋の描写をみて人と外食したくなるあたりが当落をわけたのかっ!(ちがいます)」
とか悶えてました(笑)
時代劇は不利かなあとおもいましたが「人情」ってキーワードが連れてくる「心の距離感」みたいな感覚は、今こそ大事だと思うんですよ。たとえば、村上もとかの『JIN-仁-』、石川英輔の『大江戸神仙伝』とかが、科学・医療とSFをジャンルとしながら、現代ものでは描きえない温かな人間関係を表現し得たのはやっぱり時代物の要素があったからだと思うんです。
……
ああああっ!なんでこういうことを一か月前に思い出せないのか自分ーっ(錯乱)
そしてなんで『大江戸神仙伝』思い出さなかった自分ーっ(惑乱)
◆◇◆
ともかく、一段落です。
この「みんなでつくる読書ガイド」定例化してくれるといいのに(笑)
お家時間が増えるこの頃。人のおススメを読み、読んでほしい本を書くのもまた、少しでも楽しく過ごしていくためには良い事だとおもいますので。
さて、次の本をさがすとします。
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