第11話 冬休み。前編

「ああ〜!また負けた!」

「これで俺の5連勝だな」

「お前強すぎるんだよ〜」

冬休みに入り、佐伯は綺沙の家を訪れ、レースゲームで対戦していた。

「もう1回だ。次こそ勝つ。」

「それ何回目だよ…次でラストな。」

「おう!絶対勝つ!」

結果は佐伯の圧勝。綺沙はなんと周回差をつけられてしまった。

「ダメだ…俺弱すぎる。」

「まあ、もっと練習して上手くなってくれ。」

ちなみに今日はクリスマスイブ。佐伯は泊まりで遊びに来ている。

「そういえば、明日クリスマスだぞ!?なんで俺らはこんなことをしているんだ!?」

「知らん。 クリスマスだろうと俺らの日常になんの変わりもない。」

「まあ、そうだよなぁ。クリスマスを2人で過ごしてもう4年目かぁ。あっという間だな」

「たしかにな。よくここまで交流が続いてると思う。」

「俺もそれは思うわ。なあ、いきなりだけど散歩でもしようぜ」

「ああ。いいぞ」

そうして2人は家を出た。


「うわ〜。やっぱめっちゃ寒いな。」

「まあ、歩けば暖かくなるだろ。行くぞ」

「おう。河原に行こうぜ」

「なんでこの時期に…まあ、いいぞ」

河原に辿り着くと、2人は驚愕した。

「うわ。まじかよ。凍ってるじゃねえか!」

「しかも厚めに張ってるな」

「石でも投げてみるか。」

そして綺沙は凍った川に向かって石を投げた。大きめのやつを

バシャーン


「あー。割れちまったかぁ。こりゃ乗れないな」

「お前、乗ろうと思ってたのかよ。」

「誰だって1度はやってみたくなるだろ?」

「まあ、そうだけど。落ちる前に確認して良かったな。」

「乗れないと分かったらこの河原にもう用はない。帰るか?別の場所いくか?」

「帰る。」

「わかった」

そして2人は綺沙の家に向かった。河原にいた時間はわずか15分。


そして2人は帰ってきた。ちょうど夕飯が出来ていたらしく、2人は夕飯を済ませた。


「はぁー。もうこんな時間かぁ。何する?」

「ボードゲームとかやりたい。」

「あー。ならオセロか将棋があるが、どっちにする?」

「じゃあオセロで」

「おっけー。」

綺沙がオセロを準備した。

「なんか、負ける気がしないのよな。」

「お手柔らかにたのむ」

そしてオセロ対決が始まった。




「ちーーくーーしょーーー!!!」

「うるさい。お前弱すぎかよ」

「なんでなんだよぉぉぉ。」

結果は10回やって佐伯の10勝。それもほとんど9:1ぐらいの比率でボコボコにされていた。

「今日はもうダメなのかもしれない。寝よう。そして明日勝つ!」

「はいはい。期待してるぞ〜」

そうして2人は布団を敷いて眠りについた。冬休みはまだ始まったばかり。残りの日々を2人はどう過ごしていくのだろうか。


ちなみに翌日もオセロをやったが、結局佐伯の圧勝だった。

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最近最近あるところに… きさ 佐伯 @kisamori

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