第10話 冬休み、目前

文化祭も終わり、季節は冬。12月上旬の肌寒い空の下、綺沙と佐伯の2人は歩いていた。


「それにしてもこの時期は寒いよな〜。」

「冬だからな。俺も家にいたい。」

本日は休日。2人は電車で遠出していた。目的は特にない。ただ暇だからと言うだけの理由である。

「そういえば、12月っていろんな行事あるよなぁ。」

「確かにそうだな。しかも年末ということもあって社会の空気は焦りつつあるな。」

「クリスマス、大晦日、冬休み…あれ?考えてみるとそんなに多くないな。」

「子供の俺らにとっては重要なイベントが固まってるから多く感じるんじゃないか?」

「そうかもな〜。」

「ところで、今年のクリスマスはどうするつもりだ?」

「まあ、例年通り2人でパァーっとやろうぜ!」

「わかった。」

綺沙と佐伯は毎年のクリスマスは2人で楽しんでいる。綺沙の家で2人きりでのパーティーである。それこそ特別なことはしていないが、そういう当たり前の時間を2人は大切にしている。

「今年は、俺ん家泊まってけよ。」

「そうするかな。高校生になったし。お邪魔する。」

「腹減ったなぁ。飯どうする?」

「俺はラーメンが食べたいな。いいか?」

「お!いいじゃんラーメン。行こうぜ!」

そして2人は近くにあったラーメン屋に入って各々好きなラーメンを食べた。

因みに綺沙は醤油ラーメンと半チャーハン、それに餃子5個を食べた。佐伯は鳥白湯ラーメン大盛りと餃子。


「ふぅ。美味かったなぁ。」

「俺も満腹だ。」

2人ともご満悦。

「電車使うのめんどくせーし、こっから歩いて帰るか?」

「いいぞ。消化にちょうどいい。」

彼らの現在地は自宅がある街の3駅隣の街。電車で30分程度かかる距離を歩いて帰る。

「じゃあ行こうぜ。冬休み、そしてクリスマスまであと少しだ!」

「ああ。そうだな。」

そして2人は歩き出す。彼らの自宅に向けて。そして、もうすぐそばの冬休みに向けて。

彼らの日常は終わらない。



因みに帰りは4時間ぐらいかかったらしい

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