第9話 最高だぜ文化祭!

そして、文化祭当日。普段とは見違えるほど装飾された教室に綺沙と佐伯は居た。

「なんだろう。文化祭をあんなに楽しみにしてたのに、いざ当日となるとやることが考えつかない…!」

綺沙はそう呟いた。

「他のクラスの出し物見て回るんじゃなかったのか?」

「そうなんだけどよぉ。やっぱりそれだけじゃつまんなくないか?」

「贅沢言うな。店番で満足に回れない人もいるんだぞ。」

「う~ん、まぁそうだな!できること全力で楽しむか!」

「ああ。」




「まずあそこから行ってみるか。」

まず二人が訪れたのは、射的の模擬店だった。

「さえきー。お前こういうの得意だろ?あの焼きそば無料券当ててくれよ〜。」

「まあ得意ではあるが。あまり期待するなよ。」

パァン!

パァン!


「ざっとこんなもんよ。」

見事佐伯は焼きそば無料券二人分を一撃で見事に当てて見せた。

「やりぃ!これで昼飯代浮いたぜ!」

綺沙も大満足である。

「じゃあ、腹減ったしそろそろ昼飯にするか。焼きそばの店行くぞ。」

「おう!」



「何だこの焼きそば…美味い!美味すぎる!」

「同感だな。模擬店のレベルでは無い美味さだな。」

二人は驚異的な美味しさの焼きそばを頬張り、感嘆した。その焼きそばは、まさに一瞬という速さで食べ終わった。



「午後は…ミスコンがあるけど、どうする?」

「まあいいんじゃないか?かなり暇は潰れるだろうしな。」

「じゃあ体育館に向かうか。」

そして二人は体育館に向かった。

「ラッキーだな。まだ全然人いないから椅子に座れるぞ。」

「ほんとだ!ラッキー!」


そしてミスコンが開幕した。

「あの子可愛いな。お、あの子もいいな。」

「顔がキモイぞ綺沙。」

「すまん。取り乱した。」

ステージの上には沢山の美少女が並んでいた。正直どの子が一位でも変わらないのでは?と二人は内心思っていたのである。

その中に、遠藤さんもいた。

「お、遠藤さんもいるじゃん。やっぱり人気あるんだな。」

「そうだな。」

過去に遠藤さんを振った佐伯は特に気にしない素振りでそう答えた。



「それでは結果発表です。」

そこまで時間が経たないうちに、もう結果発表になっていた。

「佐伯は誰が一位だと思う?」

「だれでも構わない。そもそも序列をつけるのはそこまで好きじゃないな。みんな違う可愛さがある。」

「めちゃくちゃかっこいいこと言うじゃんお前。」

「単なる綺麗事だよ。」

「まあ、それでも言えるだけかっこいいでしょ。」



「それでは、第一位の発表です。栄えある第一位の女性は…一年四組、遠藤さんです。」

パチパチパチ………

「すげーな。お前人気NO.1の女の子に好意寄せられてるってことじゃん。」

「まあ、付き合う気はない。お前とつるんでた方が楽しい。」

「まあそれは俺も同意だな。じゃあ教室戻るか。」

「ああ。」


そして文化祭もあっという間に終わり、二人は帰路についていた。

「そういえば、うちのクラスの出し物は、3位だったらしいぞ。」

「そうなのか〜惜しかったな。」

因みに二人のクラスの出し物はスマートボールだった。小さな子供に人気があったらしく、ここまでいい結果になったらしい。

「楽しかったな。文化祭」

「ああ。楽しかった。来年が楽しみだな。」



こうして、二人の文化祭は幕を閉じた。

本当に何も無く平和な日々を送っている二人であるが、今日は少しだけいつもより楽しかったと思えた二人なのであった。

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