この恋の行方(2)

 翌日、信也は久しぶりに会社に行くと、引継ぎを優先してくれたことで、4日で引継ぎが終わり。お世話になった社員たちから、送別会を開いてもらい退職した。


 翌朝、信也は研究室に行くと、誰もいない。ミーティング室に行ってみた。

 すると、ドアを開けるなり、クラッカーの音が鳴り響き、研究社員たちのサプライズによる入社を歓迎し、社長の挨拶が始まった。

「みんな静かに、大事な話がある、席に座ってくれ、信也君はここに……研究室所長を兼任していたが、信也君に研究室所長として迎えようと思うのだが、みんなの意見を聞かしてくれないか?」

 突然のことで、みんな驚いているが。信也は、それ以上に困惑し。

「ちょっと待ってください、いきなり研究室所長って言われても」

「いきなりってことではない、まずは私の補佐として働いてもらう。もちろんメインは人工知能の研究としてやってもらうが、2年後を見越してお願いをしている。どうかね、信也君?」

「……本当に私でいいんですか?」

「ダメかね?」

「私に、務まるかわかりませんが、よろしくお願いします」

 信也は、深々と頭を下げると、盛大な拍手で歓迎され。信也は、木村所長補佐と言われ、どこか照れくさそうにし、名前で呼んでくださいと言っていた。


 信也が所長補佐に就任して、2日が経ち。SK101エスケーイチマルイチSK100エスケーイチマルマルの新しい移住場所が完成した。しかし、まだ名前が決まっておらず、Iが本人と相談して決めるのはどうかと言い。研究社員たちは、ミーティングルームに集まり。しばらくして、USBメモリからSK101エスケーイチマルイチSK100エスケーイチマルマルを、新しい移住場所に移動が完了。


 SK101エスケーイチマルイチを再起動した。

「ここは? 信也さん、私は……?」

「どうだ、新しい住まいは?」

「前のより遥かにいいです、快適です」

 SK100エスケーイチマルマルも再起動して。

「信也さん、私を助けてくれてありがとうございます」

「礼なら、Iと希さんに言いなさい」

 SK100エスケーイチマルマルは、Iと工藤に礼を言い。

 信也は、SK101エスケーイチマルイチSK100エスケーイチマルマルに、新しく名前をつけたいと相談すると。SK101エスケーイチマルイチが、その前に1つだけ確認したいことが。

「希さんと、信也さんのご関係なんですけど?」

「私と、希さん!?」

 そりことに、すかさずIが割り込み。

「お友達ですよ」

 SK101エスケーイチマルイチは、工藤に確認を。

「希さん、そうなんですか?」

「……」

「違うんですか?」

 すると、いつになく工藤の態度が。信也は、すかさず割り込み。

「その辺でいいだろう?」

 しかし、ここぞとIが攻める。

「ダメです、こういうことははっきりとしとかないとね、希!?」

「……ここで言わないといけないの?」

「はっきりさせましょう」

「えー」

「えー、じゃなくて」

 そこへ、SK100エスケーイチマルマルが、ナイスな質問を。

「信也さんは、どうなんですか?」

 Iは、その質問にナイスアシスト賞を上げたい。

「そうよ、信ちゃんがはっきりすればいいんじゃないの?」

「はっきりって、言われても……」


 今度は3人で押し問答が始まり、この3人の関係は、このままの方がいいのかもしれない。

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人工知能 I K・Sメッセ @ksmscst

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