強烈なまでの、肉体嫌悪と異臭

アンドロイドへの愛に仮託し主張される、肉体嫌悪の物語。物語の終盤に展開される「個室」でのシーンは、露悪さえ通り越してもはや逆説的な生体機能への讃歌にさえ感じられます(まあ、そんなことはないのでしょうけど)。
湿り気と密度を帯びた文体で展開される、注意深い汚穢の描写の積み重ねに、ロボットへの関心以上に、人間への悲喜こもごもの関心を強く感じました。