コロナの裏側

ネコ エレクトゥス

第1話

 僕らが国内の事情に縛り付けられている間に世界ではコロナウィルスがらみでいろんなことが起きている。そんな裏話をご紹介。


・イランでは近頃テレビで有名なあのコロナウィルスの写真がユダヤの五芒星の形をしているとして、イスラエル陰謀説が広まっている。一方イスラエルでは例の写真のウィルスがナチス式敬礼をしているとして反発を強めている。そんな中イスラム国では悪の帝国アメリカに甚大な被害を与えたとして早くもコロナウィルスを「殉教者」として讃える動きが出ている。


・ロシアではアルコール度数90%のウォッカが売れている。消毒するため?

No。普段通り飲むため。


・ルーマニアではコロナウィルスに感染して死亡した人が夜中に生き返って人の生き血を吸うと信じられている。そこでドラキュラ対策のニンニクと玉ねぎが品薄状態になっている。


・フィンランドではコロナウィルスはムーミンには感染しないことが確認された。国民一同安堵している。ところでスナフキンはいつも通り所在不明である。


・イギリスではジョン・レノンが『イマジン』で歌った国境のない世界を証明した功績で、コロナウィルスに対し「Sir」の称号が授与された。Sir Coronna Virus。


・フランスではコロナウィルスをワインに加えると味が深まることが発見された。奇跡のヴィンテージ!


・ドイツではルター派の教会でこのようなことが唱えられているという。

「各人は各人の仕事を。農民は農民の仕事を。ウィルスはウィルスの仕事を!」


・ところでイタリアではローマ教皇がウィルスが神の創造物であることを否定した。では一体誰の創造物なのか?議論は続いている。


・エジプトではウィルスは死者の魂の生まれ変わりとして崇められている。すでに死者の谷にはウィルスの神聖文字が刻まれているとも言われる。


・アフリカのとある国。シャーマンによるとコロナウィルスの先祖はライオンであるという。なるほど、あの形はそうなのか。


・インドではヨガ行者は感染しないと信じられている。ただそのヨガ行者はとっくに死んでいたという噂もある。


・中央アジアの国々。伝承はこう伝える。

「ウィルスはラクダに乗って絹と共に中国からやってきた。」


・さて、いち早く感染拡大を食い止めた中国。次の関心はこちらに移ってきている。

「ウィルスはどうやって食べるのがうまいか?」


・お隣りニッポン。ある女の子がネット上でこんなことをつぶやいた。

「ウィルスってカワイイ。」

 それ以来ウィルスのペット化計画が進行している。


・国家の危機には将軍様が白馬に乗って現れ助けてくれる、と信じられてる北朝鮮。白馬が現れないところを見ると危機的状況には陥っていないのか、それとも白馬は助ける気がないのか。それよりあそこで本当に人は生きているのか?謎の多い国である。


・最後に超大国アメリカ。実はNASAでは宇宙空間に見立てた実験室でウィルスがどんな振る舞いをするのかを調べる研究がすでに始まっている。コロナウィルス、ついに宇宙へ!


 

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