第8話 幼女さんと一緒!!③


 よく正義の味方って復讐は何も生まないっていうじゃん?

 僕はあれって気に食わないんだよね。いやごめん、はっきり言おう。嫌いだ。


 だって不公平だろう?

 やるだけやって何の報いも受けず、許されのうのうと生きるってことだろ?

 そりゃ確かに悲しみの連鎖とやらは防げるさ。世界平和に近づけるね。おお、そりゃ素晴らしい。良かった。ワンダフルだ。


 でもさ、やられた方の気持ちはどうなる?

 この怒りは? この憎しみは? このどうしようもなさはどうしたらいい。


 結局のところ被害者が我慢する他ないのだ。それが世間一般の認識。その通りにすれば素晴らしいことに世間が涙を流して称賛してくれるのだ。



 まぁ、長々とまた講釈を垂れたが結論を言おうじゃないか。

 復讐はスッキリするし、ガンガンやっていこう。 




 ーーー



「今まで馬鹿にしてた人間に這いつくばされるってどんな気持ち? ねぇねぇ、どんな気持ちぃ?」



「ぐっ てめぇ!? クソムンクごときの分際でぇ……!」



 住宅街の往来で全裸で土下座している状態で言われても……。警察に通報されても致し方ない。

 あ、パンツぐらいは履いてるよ? 汚ない柄物。


 僕の前で四人の不良がパンツ一丁で土下座している姿は中々にシュールな図だなぁ。


 圧倒的な戦力差を理解してか、四人はすぐ土下座しだした。パンツ一丁にさせたのは僕じゃないよ?


 斉藤氏は中々に鬼畜なもんです。何持っているか分からないからこうさせたそうな。清々しい徹底ぶり。



「そぉのごときにぃ? コケにされてるのはどこの誰ですかぁ?」


 僕、今最高に輝いてる気がする。


 まぁ、仕方ない。長年苦しめられてた不良どもにこんな態度をとれるのだ。楽しくないわけがない。




「北原凄い悪い顔してる……」


「まぁ、目的の一つのようだしね……仕方ないわ」


「目的ぃ?」


「そこぉ! こそこそ煩い!!」


「ね、ねぇ、流石に殺したりはしないわよね?」



 四条が不安そうに尋ねてきた。



「はぁ? 何言ってるんだーー」



 なんたる不敬。僕がそんなことするように見えるなんて!



「殺すなんて、そんなもったいないことしないよ!」




「は?」




「おっと鳩が豆鉄砲くらったような顔してるね四条。いいかい?こういうヤンキーはね、プライドの塊なんだよ」



 僕も色々考えたんだよ。

 僕を虐めてきた奴にどんな復讐がいいかなって。

 四条は何を言いたいのか理解出来ていないようだ。



「だからプライドをね、ズタズタにへし折った後この世の中を謳歌して貰おうと」



 そうすれば、彼らは屈辱的な人生を送ることになる。ふとしたときにトラウマとして脳裏によぎり、恥辱にまみれることになるだろう。


 そうなれば最高だ。


 斉藤に言われた提案も悪くはなかった。でも、あれは少なからず罪悪感が残るのよ。四肢切断とかえぐいもの。(※12 話参照)


 なら精神的な制裁を与えて、こちらの罪悪感を全くないものに変えてしまえばいい。




「そ、そう」


 

 四条にドン引きされた。解せぬ。



 ーーーー



「さてと、こいつらどうする?」



 色々堪能したけど、その後の処置が困るね。



「取り敢えず知ってる情報は根こそぎ吐いてもらったし用済みね」



「アーちゃんこわっ」


 ね。俺もそう思う。


 いやはや、身ぐるみ全部剥いでポイとか流石。


 しかも、所持品とかも全部ですよ全部。ガチャ産武器もですよ。 


 ガチャ産の武器は持ち主の承認がないと受け渡しが出来ないらしい。それも、脅して無理やり承認させるという鬼畜ぶり。こわ。





 で、こいつらどうすっかなー


「このまま放置しときましょう。いいお灸になるわ」



「アーちゃんって割と鬼畜? まぁ、こいつらだしいっか」



 四条さんも割とドライ。


 まぁ、こんな連中だし、下世話な視線とか向けてたし当然ちゃ当然か。




「さてーーー」



「あ、あの!! 私を……お兄ちゃんを助けてて欲しいのれす!!」



 あっ やっべー


 幼女先輩のことすっかり忘れてた。



 やっべー。

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