間話4 夢の監禁生活
監禁生活1日目だ。
北原ムンクでーす。監禁されてまーす。
こういう時は弁護士呼べとか聞きますけど、呼ぶどころかそもそも今の世界で弁護士が機能するかどうかも謎です。
監禁された部屋は学校の部屋の中では比較的小さい部類だった。
ただ、ひたすら白い壁が広がる部屋で、ロッカーと棚ぐらいしかない。
窓もトイレもない。
トイレは時々人がやって来て鎖のまま連れてってくれる。
やることがない。
モンスターに襲われなかったり、飯が出るので意外と気楽。しかも、三食。
しかも、敷金礼金家賃もゼロ。拘束されてしまうことを抜けば刑務所が人類最後の楽園と言う発言もあながち間違っていないのかもしれない。
といっても本当にやることがない。
スマホも奪われたし暇が潰せない。
後、体勢が本当に辛い。
目が覚めたら椅子に座った状態で鎖がぐるぐる回されていたので、全く動けない。
この鎖はなんだろうか?
ガチャから出た拘束具なのかね?
体を動かしてもガシャガシャ耳障りな音が鳴るだけで外れる気配もない。武器も奪われたから脱出も出来ない。八方塞がりである。
仕方ないので寝ることにした。
ここ数日本当に安全なところで睡眠をしていなかったのでぐっすりと寝れた。
そんなこんなで、ひたすら眠ることで一日が終わってしまった。
監禁生活2日目だ。
今日も今日とてやることがない。
ご飯は美味しい。今日は豚汁か。暖かいから美味しいぞ。
暖かいってことは電気かガスがまだ生きてるってことか。
漫画とかだとこういうパニックが起きるとすぐ使えなくなるけど意外と平気なのかもしれない。
「あーーーーーー」
暇なので意味もなく声を出してみた。
少しエコーを出して消えていったのが逆に虚しかった。
「そういえば……」
一人になると独り言が多くなるね。なんていうか沈黙が耐えれないや。
一昨日の出来事を思い出す。
あの生徒会長と周辺は異常の一言に尽きた。
周りの人間は生徒会長の発言がさも紀元前から決まりきっている掟のように頷いている。生徒会長の発言を疑ってすらいない。
確信した。こいつらだ。あぁも四条がまでグールを倒すことに激怒してたのはこいつらが原因だ。どうやってか一種の洗脳に近い現象を引き起こしている。
これはもはや宗教だ。
斎藤が洗脳させたと言ったのも得心がいった。
「そういやスマホ奪われたけどスキルって使えんのかな? 解析!」
クレイプニル
伝説の鎖のパチもん。
パチもんだからって嘗めるなよ。本物には遠く及ばないけどそこそこの性能はある。神具の欠片を使って作成されているそうな。伝説の大安売りですね。
お、スキル使えるのね。
しかし、困ったな使えたところで結局脱出出来ないしなぁ。
仮に出来たとしてもこの鎖がどうにかならない限りどうしようもない。
あ、晩飯きた。
ていうかもうこんな時間なのね。時計ないからご飯が来るタイミングぐらいでしか時間の把握が出来ないや。
お腹一杯になった。眠い。ねる。
監禁生活3日目だ。
かゆ、うま……
冗談はさておき、そろそろ状況の変化が欲しい。暇すぎて精神崩壊するぞ。
斎藤とか四条とか助けに来てくれないかな。
でも、そんな親しいわけじゃないし無理そうだなぁ。
かくなる上は生徒会長に服従するか。相性は悪そうだからしばらくふりでもしたら、逃走しよう。
あーもうどうにでもなれ
かゆ、うま……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます