第3話 説明
アンジェロは古い建物を見上げた。
「僕はこれからここで暮らすの?」
クラウンはにっこりしながら言った。
「そうです。ここがこれから君の我が家です。」
門には看板がかけられていた。
『アニミ魔法軍』
アンジェロは言った。
「アニミって誰?」
クラウンはたちどまってアンジェロの顔を見た。
「あなたの先祖ですよ。本当になにも知らないんですねぇ。」
アンジェロは小馬鹿にされたような気がしたが続きを聞きたいという顔をした。
「アニミ・ディアスは魔人史上最強と謳われる魔人です。私も20年前に一度お会いしたのですが凄まじい力を感じました。まるで同じ生物ではないような。そんな感じでしたね。」
アンジェロは尋ねた。
「そんなに凄い人なの?一体何をしたんだ?」
クラウンは身振り手振り説明した。
「彼は何十年も昔、10人の仲間を率いてこのアニミ魔法軍を設立しました。アニミ魔法軍は主に悪に手を染めた魔人たちを取り締まったり、退治したり、たくさん魔界を救ってきました。しかし彼らは長らくの間ずっと解決できていない問題がありました。それはアニミの双子の弟であるフィニスの率いる反魔法軍を退治することでした。フィニスは昔から兄のアニミについて回ってたそうですが、ある日アニミが将軍を務めていた魔法軍を追放されたフィニスは強い怒りを覚えます。いつか復讐する。それがフィニスの生き甲斐になってしまった。フィニスは反魔法軍を作りました。主に犯罪者で構成された反魔法軍はたくさんの人を殺し、事件を起こした。しかし、ここでなによりも重大な事件が起こる。フィニスは普通の人間に恋をした。彼は魔人でいることが嫌になりました。そして彼はとうとう人間になる方法を見つけたのです。しかしそれは決して簡単なものではありませんでした。」
アンジェロは長い話を頭の中で整理しながら尋ねた。
「簡単じゃないってどうやるんだ?」
クラウンは少し躊躇ったが喋り出した。
「自分と血の繋がった物の骸が必要になるのです。」
しばらく沈黙が続いた。
アンジェロは小さい声でクラウンに尋ねた。
「じゃあ、、、僕か母さんって事?」
クラウンは首を振った。
「フィニスと血が繋がっているのは君のお父様と、、、。」
クラウンは黙った。アンジェロも事態は把握した。
「僕の命が狙われるってことか、、、。」
アンジェロは自分の母親は僕を守るためにここに連れてきたんじゃないかと考えた。
クラウンは言った。
「お母様は君を育て上げて欲しいとここに入れたんです。」
アンジェロはクラウンを見た。
「育てる!?まさか、、戦うのか⁉︎」
クラウンはきょとんとした。
「戦うしかないでしょう!やるかやられるかですよ!」
アンジェロは拳を握りしめた。やるかやられるか。その言葉が心の中にずっしりと残っている。
クラウンは基地に入っていった。アンジェロも後ろをついていった。
魔戦士アンジェロ うっちー @ucci_dia4
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