誰かに恋をしたことはあるだろうか?
人を恋した竜にあなたはなったことはあるだろうか?
ご主人様と呼ぶ飼い主ではなく、ご主人と呼ぶ女性として見てほしいと思ったことはあるだろうか?
例えば種族という絶対に超えられない壁に隔てられて、寂しい夜を想い人の隣で何度繰り返しても、恋する竜として生きたことはあるだろうか?
儚い言葉が繋がらなくとも、腕の中で眠る猫ではなく、対等に抱きしめ合う間柄になりたいと思ったことはあるだろうか?
主人公である竜が少女に恋をしてから、どんどん竜としての何かを忘れていき、人へ近づく話。
竜の人のようで、しかし人になれない葛藤も含めた心理描写が本当に綺麗でした。