のぞき穴

のぞき穴

真夜中3時…

オートロックのマンションなのに玄関のインターホンが鳴った。

しばらくしてもう一度。

怖くて布団にもぐりこむとドアノブをそっとゆっくり回す音。

恐る恐る玄関に近づき、静かにのぞき穴を見ると…

真っ暗で何も見えない。

良かった。

でも待てよ。

廊下は夜中でも電気がついてるはず。

真っ暗なはずかない。

もう一度恐る恐るのぞき穴を見てみる。

やはり真っ暗だ。

やっぱり、廊下の電気が故障してるのか。

そう思い少し安心した瞬間、

ドアノブがゆっくりと回りだした…

あまりの怖さでのけぞりそうになる。

怖さで体が震えて汗が出る。。

ドアの向こうに誰かいるのか…

再度、必死で声を殺し、震える手をこらえながらのぞき穴を見てみる。

やはり真っ暗だ。

真っ暗というより真っ黒だ。

しばし眺めてると、のぞき穴の向こうの真っ黒が何か違う事に気づく。

そう、わずかに真っ黒の端の方にかすかな光、と言うより明かりが見える。

なんなんだろう。

その時！

その真っ黒は明らかにまばたきをした…

のぞき穴に真っ黒な目をぴったりと付けながら中を覗いてたのか…

そしてドアノブを回す音が…