第4話 思いよ届け
「このチームのマニアって…」
森「もう…これを見て!」
泣きながら、みんなにノートを渡す。
「なんだよ、これ。」
…
「うっわ、細か。」
…
「あ、これ確かに。」
あちこちで、色々な声が上がる。
森「渡辺さんは2月からずっと、ノートでみんなを分析をしてくれていました。頼んでもないのに、ほぼ毎日。」
それは、悪口?でなく、誉め言葉ですよね?森さん。
森「そのノート見ればわかるよね?本気だって。何が必要か、どうすればいいか。渡辺さんの力を借りたいと思わない?」
…
原田「これは、マジですげーな。全てが的を射てて、変な忖度もない。昨日のアイシングも、これのおかげか。」
森さんがうなずく。
堀口「大会まであと、一ヶ月しかない。俺らもっと強くなりたい。そーだろ?もっと、強いチームになれますか?渡辺さん!」
なんだなんだ!?
急にキラキラするんじゃないよ君たち。僕には眩しいよ。僕も、もう泣きそうだよ。
卓「ぼ、僕は、もっともっと強くなると思ってます。確かにそんなに時間はありませんが。君たちならできると…あの、あと、オタクで良いです。嫌じゃないし。それかオ、オタクさんで。」
原田「みんな、俺からも頼む!最後の一ヶ月、この渡辺さん、オタクさんにかけてみないか?マネージャーがここまで言うのも、ノートを見たらわかった。」
「原田が言うなら俺は」
「確かにこのノートはすごいよな」
吉村「俺ら一年は、キャプテンについてくだけっすよー!な、みんな?」
一年「はい!」
吉村「だそうでーす!」
原田「よし!!オタクさん、お願いします!強くなるために、必要なことを教えてください!」
卓「ぼ、僕の分析だと、かなり厳しい練習が必要にはなりますが…が、が、頑張れますか!?」
一同「はい!!」
卓「て、では、まずは走り込みますよー!」
一同「はい!!」
熱い、熱いよ君たち。
そんなことを考えながら、新品の大学ノートを開く。
…まったく、今年の夏は本当に。間違いなく僕史上一番熱い夏になりそうですよ。
夏を追う君らをオタクな僕が追い込む 天嵐 柚太郎 @vetvet
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