第6話 浄化と償い

「今日は先生への感謝を伝えるサプライズの準備をしようと思います。で、時間の都合上で申し訳ないんだけど、俺なりに、これは誰に頼みたいっていうのを考えました。なるべくみんなが得意そうなもので割り振ってみたつもりなんだけど、表を見て、もしこっちの方が良いとかあれば、他の人と交換する感じでお願いします。交換したら一声かけてください。ちゃんとみんなの仕事を把握して、みんなの動きやすいように指示出ししたいので。」


いよいよこの日が来た。

一通り説明をして黒板に表を貼り、みんなを前に呼ぶ。

しっかりと受け入れてもらえるかという緊張が、じわじわと体中に押し寄せてくるのを感じた。


「お、俺黒板アート担当だ。任せとけ!」

「私は買い出し班ね。体力も腕力も自信あるし、どこまでも駆け回ってあげる!」


みんなの笑顔と陽の言葉が飛び交っている。

この光景がずっと見たかった。

陰宮が大切なことを教えてくれたおかげで、リーダーとしての役割を本当の意味で全うできている気がする。

あれから、誰がどんなことを得意とするのか、あるいは好きなのかをしっかりと把握しようと努力した甲斐があった。


「陽太くん、良かったね。他のクラスの委員長も、みんなの意見聞くようにしたら声戻ったって。」

「おう。陰宮も、生き霊もいなくなって、退院もできて本当に良かった。」

「怪我をしないためにも、もっと言霊師として成長しないとね。でも、しばらくはお休みしても平気そう。」

「そうなのか?」

「うん。今までは、みんなの陰の想い霊が溢れないように、ずっと席で札を書いていなきゃだったけど、この雰囲気を見る限り、とりあえずここではその必要もなくなったっぽいから。僕もみんなとたくさんお話したいな。」

「俺、相当陰宮に迷惑かけていたんだな……。」

「ふふっ。でも、それが僕の仕事だから。言霊師として1つ成長できたし、陽太くんには感謝しているよ。」

「陰宮には頭上がんないや。こちらこそありがとな。」


卒業まであと3ヵ月。

僕はやっと生徒会長としての責任を果たせた気がする。

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