ここがヘンだよSNS【『デジタル・ミニマリスト』を読んだ感想】
カル・ニューポートの『デジタル・ミニマリスト』を読んで、改めて"いいね"ボタンって何なんだろうなと思っている。
本書の中で件のワンクリック承認は、「意義深い社交生活を育もうという努力をだいなしにする毒」とまで云われている。結論"いいね"をしてはいけない。ソーシャルメディアの投稿におざなりなコメントをつけるのもなし。ただただ沈黙に徹するべし。
ここだけ切り取ると「極端過ぎィッ!!」と思わなくもないのだけれど、まあ実際問題思い当たる節はあるっちゃある。
現在、私は小説の他薦か、KAMITSUBAKI STUDIO推す目的くらいでしか"いいね"ボタンを使わないようにしている。ごく稀に「確認しましたよー」という意図で押したりもするのだけれど、よくよく考えてみるとこの「確認済み」という意味合いで“いいね”をする──というのも何だかおかしな話で。
ユーザにおいて"いいね"をする基準に違いはあれど、SNS上で交流のある方のそれに“いいね”を押すとき、やはり何かしら思うところはあって“いいね”をしているわけですから、いや私は気にかけてますアピールするくらいだったら短くとも言語化する努力はしたら? と思わなくもなく。
本書において"いいね"をしてはいけないとされる理由のひとつがまさにそれで。
私たちってこのボタンを押すだけで何だか交流した気になれてしまうんですよね。ワンクリックしただけで、その人の気持ちにある程度寄り添えた気になってしまう。ちょっと引いて見れば、一回ボタン押しただけじゃんって気づけるんですけど(笑)
この"いいね"ボタンが会話に代わる選択肢のひとつとして浸透している現状って──まあ、私はデジタル・ミニマリズム過激派ではありませんから、"いいね"を押すな! とまでは云わないのだけれど、とはいえ「コレおかしくね?」と違和を覚えてほしい一人ではあったりする。
それでもweb小説おすすめブログを続けるワケ
https://kakuyomu.jp/works/1177354054896176243/episodes/16816452220247115525
以前の記事で私は小説の感想を"お守り"みたいなものだと云った。もらった直後はそうでもなくても、時が経ってからその存在を認識すると効能があらわれる。だから、お守りに似ているよねーと。
この感覚については、物書きであれば少なからず共感していただけると思うのだけれど、じゃあ一方でpixivなどでよく見かけるコメント欄のスタンプからはたして同等の効能が得られるか──となると難しくないです? そこに如何様な想いのプロセスが込められていようと、動作としてはボタン押しただけじゃないですか(笑)
だから、偶にTwitterで「私には推しがいる。けど、感想を送るのは何だか畏れ多い。だからこういう思考のプロセスがあって、今日も今日とて"いいね"をするに終わってる」的な投稿がバズってるときあるんですけど、アレバズっちゃダメだと思うのですよ(笑)
「わかるー」じゃねぇんだよという。その投稿に対してもすかさず"いいね"で反応ってもはやギャグ以外の何ものでもないじゃないですか。
だから──何が何でも気持ちを言語化しろ! とまでは云わないけれど、"いいね"をポチるだけで私は
脳ってリソース少ない活動を好むようにできているので。
一度"いいね"ボタンって会話に代わる選択肢のひとつなんだ~と学習したら、そればっかポチるようになるのですよ。それ自体は別にSNSの使い方なんて個人の自由なのですから、責める要素はないのだけれど、とはいえ客観視したらコレ全く交流してなくね? というリアルには気づいてほしいなって。
かく云う私も過去とあるビジネス系YouTuberの動画にちょくちょくコメントしていた時期がありまして、「有益な情報をありがとうございます」みたいな感謝の皮を被った擦り寄りコメント送ってたんですけど(笑)
今になって思えば「いや、このコメント打ってる時間が無益そのものでしょ」と思う反面、そのYouTuberさんからしたら概要欄にある通り、私の送ったコメントがひとつの「励み」ではあったのかもしれないなぁーと。
大分肯定的に捉えようとしてますけどね。ただ、形として残した以上は、誰かしらに向けて効力を発揮すると思うのですよ。早くも遅くも。良くも悪くも。
今回はそんな感じ。ではまた~。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます