──── 『首吊りいふか』
【作品情報】
『首吊りいふか』 作者 辰井圭斗
https://kakuyomu.jp/works/16816452219155939800
【紹介文】
なし
走馬燈めいているなぁ──などと思いながら読んでいる。
出会う人とか、通り過ぎる景色とか。
明確な死や隔絶の描写があるなしを関係なしに、もう二度と会えないのだろうなというか、仮に再登場の機があったとしてその折あなたを訪れる人は、あのとき顔を合わせたあの人とはもう似て非なる人なのだろうなと。
出会う人とか、通り過ぎる景色とか。
そういった全てに「さよなら」を告げているような心地がするので、成程これを墓に持っていきたいとする気持ちはわかるし、
そんなことに思いを巡らせつつ読んでいる。
第7話まで読んで、マーガレット・ワイズ・ブラウンの『Goodnight Moon』という絵本を思い出した。
ベッドで寝ているうさぎが部屋にある全て──ブラシからマッシュポテト、挙句それは空気と星、夜を包む静寂にまで及び、余すところなく「おやすみなさい」を告げて。最後には部屋の明かりが落ちて、おやすみせかい──といった風情で締めくくるお話なのだけれど。
件の作品の「さよなら」に、この「おやすみなさい」と似たような気配を感じた。
出会った人とか、通り過ぎた景色とか。
差し置いて──もう眠りについてしまったのだろうなぁと。そんな痛覚めいたものが残った。尽くあなたを除くすべてが眠りに落ちゆくこの小説の最果てには一体何があるのでしょうね。
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