web小説家よどこへゆく【なろう作家とブロガーは紙一重?】
Youtuberのヒカルさんと宮迫さんのコラボ動画を見ていたとき、異世界転生モノに関する話題が二言三言あがったことがありまして(流石にどの動画でした発言かは憶えていない)。話しぶりからするに小説ではなくアプリで読める漫画の方だと思うのですが、「続き憶えてなくても読めるからいいよね」みたいな発言があり──当時はさらりと流してしまったのですが。
今になって思えば「続き憶えてなくても読めるからいいよね」で済ませられることがもはや"強み"なのだよなぁと。改めてなろう系って時代を読んだコンテンツではあるのだよなぁと噛み締めた次第。
人を選ばないげんきのかけら 『70デシベルの愛』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054896176243/episodes/1177354054918802736
上記リンク先の冒頭でもちらと触れたのですが、クイビなる短編動画配信サービスがあったのですよ。はい、過去形です。哀しいかな、近日サービス終了するそうで。「こんなにコンテンツが飽和している時代! どうせ通勤時間とか待ち時間とか、片手間にしか見ないでしょ? だったら短編動画だよ!」という読み自体は冴えていたと思うのですよね。ところがコロナの影響で皆が引きこもりを強いられてしまった。案外腰を据えて長編を見る時間が確保されてしまった──あたりが敗因の一つであるやもしれませんが。
兎角、人の時間を細切れにするコンテンツが今後も出続けるという流れに変わりはないのではないかなぁと。
【初心者向け/書き方】「小説家になろう」で書くなら、知らないと絶対に小説家になれないルールがあるって知ってました?
https://www.youtube.com/watch?v=rZwjvepUtIg&t=3s
なろう関連で最近衝撃を受けたのがこちらの動画でして。カクヨムだとURLコピペしないと見れませんので若干手間だとは思うのですが、ぜひご視聴いただきたく。あと、合わせてコメント欄にも目を通していただけると先の理解がスムーズではないかと。
──すごくない?
この動画内で紹介されていることが、真の鉄の掟であること前提に話を進めるのだけれど、ホントに攻略なんだなぁと。で、私が動画の内容以上に目を瞠ったのがコメント欄の方でして、抜粋すると角が立つのでふんわり意訳しますけど。
「ライバル出す展開ってなろう様式美的にマズいの? プロット変更しよう」
「次作は読者にステレスフリーな展開を目指そうと思います」
え、ええんか?
もちろん、どこまで本気のコメントかは定かじゃないですよ? ただ、にしてもええんかそれで?
私、これを目にしたとき脳裏を過ぎったのがブログのキーワード選定で。キーワードプランナーでキーワードを調べて「あっ、ここなら競合性低そう~」「このキーワード誰もググってないじゃん。書こうと思ったけど止め止め」とか色々思案しつつ記事を書いたりするわけですよ。なので、気分としては執筆と云うより攻略──といった具合なのですが。
もしかして、なろう作家とブロガーってやってること紙一重なのでは?
などと思った次第。
もちろん皆が皆そうでないことは大前提としてね? なろう作家と一口に云っても色々な方向性の方がいるでしょうし、その点はブロガーも云わずもがな。
前述した鉄の掟にしても、その掟を守りながらオリジナリティを発揮することこそ書き手の醍醐味なのかもしれないですし、そもそも「ランキングを攻略してやるぞ!」という気概を持つのは決して悪いことではない。応援されて然るべきものであると思う。
先ほど「人の時間を細切れにするコンテンツが今後も出続ける」と書いたのだけれど、デューク大学とUCLAアンダーソン・スクール・オブ・マネジメントの研究によると、人って一日を一時間以上の単位で区切って活動するのが一番幸福度高く過ごせるそうで。逆に一時間を下回る──十分三十分で済む活動を詰めに詰めて一日を区切りまくってしまうと、幸福度が下がってしまうのだとか。
この研究結果に関しては、自身のこれまでを振り返ってみれば「ああ、云われてみると」と思う瞬間が多々あるのではないかと思う。
この時間を細切れにされている感覚は、時間があっという間に過ぎて何もできなかったという感覚とも結びつくのではないかと考えられておりまして。細かく分断された時間が理性を司る前頭前野にストレスを与え、不安を作り出す扁桃体が活性化されてしまい、「時間がない」という焦りを生むのではないか──とのこと。
にもかかわらず、流行のアプリやwebサービスは「人の時間を細切れにする」ことを企んでいるわけで。大多数も内心それがストレスの一因であると勘づいていながら、何だかんだDLしたり加入してしまったりする。
(一応)web小説投稿サイトの長期ユーザとして、カクヨム含めこの手のサイトってこれからの時代どこに向かうのだろうなぁと。延いては今web小説家として精力的に活動している人たちってどこを目指すのだろうなぁと、そんなことに思いを馳せる一月某日なのでした。
ではまた。
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