【2020年】衝撃だったおすすめweb小説5選【カクヨム】

 タイトルにある通り、読んだとき衝撃を受けた作品を5つご紹介します。作品が公開されているサイトはいずれもカクヨム、ジャンルはバラバラです。

 ネタバレらしいネタバレはありません。気になった作品は各作品タイトルのリンクからどうぞ。


 ムラサキゴテン

✅https://murasakigoten.com/

 

 上記ブログからの"輸入"なので、「そっちでもう読んだぞ」という方はブラウザバックで大丈夫です。


おすすめweb小説① 『先輩』


【作品情報】

『先輩』 作者 辰井圭斗

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054898297405


【紹介文】

 私と三人の先輩の話。


【感想】

 積み重ねを成形したのではなく、積み重ねがそのまま生み落とされたみたいな作品。良い意味で作為の痕跡を感じ取れませんでした。「難なく書きました」と云われたら「難なく書いたのでしょうね」と頷かざるを得ない印象。

 この場合、何も積み重ねを成形したもの──起承転結の成っているそれが悪いと云っているのではなく。それこそ「少年漫画より少女漫画の方が面白い」と主張するくらい不毛なので。これは、単に私の好き嫌いの話。作為って徹底しないとどこか臆病ですので。


 兎角文章が自由でした。


 だから、好きです。

 才能は遺伝的要素として事実あるもので──とはいえ、作品の良し悪しを語る上でそこに触れるのは何だかナンセンスな気がしたから。

 あえて言及してこなかったのけれど、本作においては触れざるを得ないよなぁ──と感じたので結びでちらと触れた。そんな作品です。


おすすめweb小説② 『波羅蜜』


【作品情報】

『波羅蜜』 作者 私は柴犬になりたい

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054934874452


【紹介文】

 なし


【感想】

 文字に彩が見えました。「まーた何か云ってますよこの人」という反応は認める。日本の曼陀羅ではなくチベットのタンカを彷彿させるどぎつい彩。

 世の中巧い物書きは大勢いると思うのだけれど、私の知る限り次にどんな作品を書くのかマジで読めない人(柴犬?)。

 ぶっちゃけ巧い人でもある程度数集まったら「ああ、今回はその方向性ね」というのあるじゃないですか。それが読めない。


 カメレオン俳優ならぬカメレオン作家だと思います。


 引き出しの数が多いと云うより、一つの引き出しの底が見えないイメージ。執筆間隔が空いたなと思ったら、しっかり空けた分の詰まった作品を投稿する人(柴犬?)だと思います。


おすすめweb小説③ 『短篇集 昊の滴』


【作品情報】

『短篇集 昊の滴』 作者 濱口 佳和

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054892258201


【紹介文】

 1話が1000字ほどの短編集です。

 舞台は日常に似た架空の場や、非日常の地球と地球外の惑星です。

 脈絡なく追加する予定。


【感想】

 作品によって、もしかしたら人物描写って些末事なのかもね──と思わされたことは何度かあったけれど、そもそも性別の描写さえなくても何とかなるもんだな、むしろ物によってはない方が良いのでは? という新たな見解を与えてくれた作品。

 補足しておくと、描写しないことによる空白をいたずらにつくればいいというお話ではなく。件の作品の場合、空白が作品を引き立てる方向に機能しているから凄いわけで。

 とても良い削ぎ落しを見た。


 フレームの外に広がりがあった。


 そんな印象。

「読者の想像力に委ねる」と云えば聞こえはいいけれど、「ちょっと委ね過ぎじゃない?」と思う作品もあるわけで。

 本作その空白の塩梅が丁度良いのです。極端な話、空白に想像巡らせるまでもないというか、巡らせずとも読後が何だか心地いい。


おすすめweb小説④ 『死生活』


【作品情報】

『死生活』 作者 朔之蛍

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054895099488


【紹介文】

 ちょっとコミュ障なことを除けば、どこにでもいる普通の女子生徒はるかは少なくも仲のよい友人達とごく平凡な学生生活を送っていました。

 そんな平凡な生活が、隣の席にきたちょっと変わった転校生によってほんの少し変わります。

 生と死の感覚がちょっぴり変わった世界で紡がれる、あんまりハートフルではないけれど、ちょこっとだけハートフルな感じもするストーリーです。

 覗いてみたい、あの子の私(死)生活。

 ※少しグロい描写があるので、苦手な人は注意してください。


【感想】

 正直に云って、平成20年頃の日本小説ホラー大賞なら普通に取れるセンスだと思います。

 ちなみに「平成20年頃」と期間を絞ったのは、かく云う私がその頃の大賞作品しか読んだことがないからです。『少女禁区』や『保健室登校』が通ったあの年代ならマジで通ったのではないかと。


 読んで面白かったのはもちろんのこと、フツーに羨ましいなと思えるセンス。


 随所に痺れるシーンがあるのだが、特段痺れたのは黒子。次点で弟。なぜアレが思いついたし。「こんな作品が読みたかった!」というより「こんな作品が書きたかった!」という気持ちの方が強め。


おすすめweb小説⑤ 『かげひなたになる』

【作品情報】

『かげひなたになる』 作者 神田暁一郎

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054893641150


【紹介文】

 コンビニエンスストアで店長を務めるアラサー男子の河本広巳。

 仕事熱心で従業員からの信頼も厚い広巳だったが、彼には人に言えない秘密があった。

 その秘密とは――女子高生に身を扮した女の子とイチャコラできる風俗遊び、JKリフレの常連客だということ!

 アラサー男子とニセモノJKが織り成す、ラブコメの皮を被ったヒューマンドラマ作品でございます!

 甘さの中にも苦みを宿した、言わば「微糖ラブコメ」とも呼ぶべきジャンルを目指して書き上げました!

 甘々な作品に砂を吐かされすぎて、すっかり口の中ジャリジャリになっておられる方々、口をゆすぐつもりで一読いかがでしょう?

 普段は敬遠しているニガいコーヒーを背伸びして飲んでみる、そんな気まぐれが新たな発見をもたらすかもしれませんよ!


【感想】

「いや、コレちょっと手加えたら通るとこ通るヤツですやん草」とか思ってたら、ホントに改稿版がGA文庫大賞取った作品。

 おめでとう暁一郎(ちなみに「ぎょういちろう」と読むらしい)。出たら買います。

 読後、所謂小説通が「ほう、コレはいいものですね──」と顎を撫でつけて終わるのではなく、「現代人」という幅広くも確実に”居る”層がメインターゲットとしてあっさり想像できたので。

「これはもしかするのでは?」と思ったら、ホントにもしかした作品。

 陽キャにも陰キャにも振り切れない、それなりを生きている人には殊更刺さるだろうなぁ──というお話。


 最後にお決まりの文言を張って締め括りたいと思います。


【おねがい】

 本体は上記リンク先の「作品」であり、当記事はあくまでオマケです。

 作品を読んでちょっとでも「面白い」と思ったら、ブックマーク・星をよろしくお願いします。

 それが、書き手の明日の糧につながるかもしれません。

 ではまた。

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